研究課題/領域番号 |
15K20747
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
山崎 智里 金沢医科大学, 看護学部, 助教 (00550948)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 助産師 / 安全・安心 / 分娩管理 / 電子カルテシステム / パルトグラム |
研究実績の概要 |
近年のハイリスク化している分娩期において、主としてそこに携わる助産師の判断が産婦・胎児に多大なる影響を及ぼすため、熟練助産師の経験知をいかしたシステムは安全・安心な分娩管理のためには重要である。そこで、本研究の目的は安全・安心な分娩管理に向けた助産師の意思決定支援システムの開発・有効性の検証を行うことである。 平成27年度は、1.システムの原案となる電子パルトグラムを開発した。2.安全、安心な分娩管理に向けた助産師の観察・実践及び電子カルテの分娩管理に対する有用性を図るための調査用紙の素案作成を行った。 1.システムの原案作成は、電子パルトグラムを使用している助産師に、電子パルトグラムの記録に関する障害・課題についてフォーカスグループインタビューを実施した結果及び「第2回産科医療補償制度 再発防止に関する報告書」の中から診療録等の記載不足について指摘された部分をシステムの原案設計の内容に含めた。パルトグラムの原案には、産婦毎に出産予定日や入院時刻等を管理する産婦テーブルのIDを主キーとして、助産師の氏名やログインID、パスワードなどが含まれる助産師テーブル、パルトグラムに入力する情報や記録等を管理するデータテーブル等から構成されている。 2.調査用紙は、(1)産婦の安全保障について助産師が講じている観察・実践内容、(2)電子カルテシステムの有用性に関する認識、(3)助産師へのインタビューにて明らかとなった内容等を基に質問項目を作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成27年度は、1.安全・安心な分娩管理に向け、熟練助産師はどの様な観察・実践を講じているのか、2.パルトグラムの電子カルテへの移行は、助産師が安全・安心な分娩管理を行うのに際し、どの程度有用性があるのか、またその課題を明らかにするための調査用紙の作成及び質問紙調査を行う計画であった。しかし、本研究の質問紙作成のベースとなる助産師へのインタビュー内容のカテゴリ化作業に時間を要したこと、システム開発をスムーズに行うためにシステムの原案作成を行ったことから、質問紙調査の実行ができず、調査用紙の作成にとどまった。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、平成27年度に実施できなかった質問紙調査を実施し、安全・安心な分娩管理に向けた助産師の観察・実践を明確にする。また、現在の電子パルトグラムの有用性・課題点を明らかとし、原案として作成したシステムに解決策を組み込んでいく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度に予定していた、郵送による質問紙調査が、研究の遅れにより実施できなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度に、質問紙調査を行うため、そのために必要な用紙・印刷費、郵送費に使用予定である。
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