研究課題/領域番号 |
15K20748
|
研究機関 | 聖隷クリストファー大学 |
研究代表者 |
室加 千佳 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 助教 (40616918)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | NICU / 在宅 / 看護 / 家族 |
研究実績の概要 |
本研究は、新生児集中治療室(Neonatal Intensive Care Unit:NICU)入院中から在宅移行時の、家族エンパワーメントプログラムを開発することを目的とし、研究を遂行した。 上記の目的を達成するために、当該年度は、NICU入院中から在宅移行時に提供される看護や家族調整の現状把握を行った。具体的には、①NICU看護師、②NICU患児の母親、③NICUからの在宅移行看護が充実している2施設を対象に、上記の内容を実施した。 その結果、①NICU入院中から在宅移行時に提供される看護の実態としては、母親に対し経管栄養や薬剤投与など医療的処置の実施方法や、在宅での医療物品の配置場所の確認・管理方法などが説明されていた。入院中から在宅に関わる行政・医療関係者と情報交換を行っていた。家族調整としては、母親のみならず、育児支援者に対しても上記と同様な指導を実施していた。また、母親以外のキーパーソンを確認し、退院後も在宅看護や育児が行える状況の確認を行っていた。②NICU入院中から在宅移行時に提供される看護の実態としては、在宅移行後に実施可能な看護技術を習得していた。また、看護内容は技術的な指導のみならず、母親や家族への精神的フォローが行われており、NICU患児の母親は、NICU看護師との関係性を重要視していた。家族調整としては、在宅移行後も家族が看護や育児を実施できるよう家族での話し合いが行われていた。③NICU退院児を対象にした訪問看護ステーションでは、NICU退院児の特徴を理解した上での看護提供や、児のみならず家族を含めた看護を実施していた。NICU退院支援モデル事業のモデルとなった病院では、入院中の在宅支援内容が充実しており、退院後も定期的にNICU退院児や家族が集えるように支援をしていた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査も予定通り進んでおり、NICU入院中や退院後に提供される在宅移行のための看護や家族調整の現状を把握できたため。
|
今後の研究の推進方策 |
今後も、NICU入院中から在宅移行時の、家族エンパワーメントプログラムを開発することを目的とし、研究を進行する。 上記の目的を達成するために、①NICU入院中から在宅移行時に提供される看護や家族調整の実態把握を引き続き実施するとともに、②NICU在宅移行時の家族エンパワーメントプログラムの作成を行っていく。 また、前年度調査の結果分析を実施し、統計学的分析も進める。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究調査を実施していたため、研究結果をまとめ、学会発表を行わなかったことや、調査人数が当初の予定より少なかったことが挙げられる。
|
次年度使用額の使用計画 |
平成28年度は、前年度に引き続き研究協力者への謝礼や、結果を分析するためのSPSSソフトの購入、学会発表に使用する。
|