小児救急トリアージのアセスメントツールの開発を目指し、トリアージ中の看護師の思考と緊急度判断の理由、トリアージ中の看護実践をトリアージスキルとして小児救急場面における看護師のトリアージスキルの特徴を明らかにすることを目的に研究を行った。 小児救急トリアージを実践している看護師9名を研究協力者とし、35名の小児救急患児のトリアージ場面を参加観察し、観察ノートをもとに、研究協力者のトリアージスキルについてインタビュー調査を行った。調査結果について質的手法をもとに分析の結果、222コードから43サブカテゴリー、10カテゴリーが抽出された。 以下、カテゴリーを【 】で示し、分析結果を述べる。 看護師は【子どもの外観を重視】した第一印象で観察を行い、トリアージの早い段階で、【小児期感染症を考慮して隔離の要否を判断】し、簡便に【脱水の程度を見極め】ていた。また【子どもの苦痛と緊張緩和】を図りながらトリアージをすることが、症状悪化の予防と子どもの安寧のために重要と考えていた。子どもには、【年齢に合わせて症状を直接確認】しており、必ず子どもの反応や発言を確認していた。家族には、【家族の協力を得ながら客観的に情報収集】することで、正確な情報を得ていた。そして【好発する急性疾患を見当】し、【急変のリスクを評価】して、緊急度決定を行っていた。一方で身体的な緊急度が高い状態ではなくても、外来【診察の長期化を予測し緊急度を引き上げ】ることで、子どもと家族の待ち時間を長期化させない配慮もしていた。さらに看護師は緊急度判断に加えて、トリアージ中であっても緊急度の低い子どもの家族に【家族の緊張を緩和しながら具体的に指導】しているというトリアージスキルが明らかになった。 本研究結果について学会発表にて報告を行ってきた。
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