本研究は看護師が実践しているトリアージの際の思考プロセスを明らかにし、看護師が経験的に習得するアセスメント能力およびトリアージの実践能力を可視化することによって、小児の院内トリアージに必要なアセスメントツールを開発することである。今年度は昨年度までに実施した質問紙調査の最終段階の分析と公表を行った。具体的には21st East Asian Forum of Nursing Scholars & 11th International Nursing Conferences にて発表した小児救急トリアージスキルにおける看護実践に関する因子分析の結果(「緊急度評価と子ども・家族の安楽促進」因子7項目Cronbach α= .78、「脱水の査定」因子6項目Cronbach α= .74、「家族への指導」因子3項目Cronbach α= .70、「子どもへのタッチ」因子3項目Cronbach α= .68 の4因子構造Cronbach α= .75)を論文で公表した。また自由記述データに関する内容分析から8つのテーマ(1.子どもの特性を加味した客観的な緊急度評価 2.親子それぞれに情報収集し査定 3.視診を軸にした見た目を評価 4.緊急度を高めに評価 5.親の不安と育児を支持 6.子どもが安楽にいられる配慮 7.トリアージの精度向上に努力 8.迅速さを意識)が抽出され学会で発表を行った。
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