研究課題/領域番号 |
15K20754
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研究機関 | 広島国際大学 |
研究代表者 |
梅田 弘子 広島国際大学, 医療福祉学部, 講師 (50441986)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 育児 / 共働き / 夫婦 / 協働 |
研究実績の概要 |
2017年度は2016年度に続き、調査結果の分析を行った。調査内容のうち、基本属性と家族機能測定尺度(FFFS日本語版Ⅰ:法橋,2009)、育児の実態等について調査した結果を分析した。記述統計量を算出し母集団の特徴を把握し、家族機能測定尺度(前述)の27項目の中の自由記述調査項目である、「現在、あなたの生活において最も困っていることは何ですか(自由にお書きください)」の内容について、Text Mining Studio 6.0を用いて分析対象の基本統計量の算出を行い、単語頻度分析、単語の共起と係り受け関係を表すことばネットワーク分析を行なった。 乳幼児を育てている共働き家庭の妻が最も困っていることは、子どもの病気で仕事を休むこと、帰宅時間が遅く子どもと過ごす時間が取れずに時間に追われていること、疲労やストレスで自分の体調が優れず、頼る人がいない、夫の協力がないこと、保育料が高いなどの金銭面、が挙げられた。子どもが病気の際の対応や仕事との調整に関する記述が多くそのことで子どもや周囲に負担をかけることにも困っていた。妻に集中している共働き家庭の負担を夫との協働や社会資源の活用によって改善することが急務である。 一方、夫が最も困っていることは、長時間労働や休暇がとれないことで子どもと過ごす時間が少ないことや成長を見ることができない、自分の時間や家族との時間が持てないことであった。また、給料が少ないことなどの経済面、妻の負担が多いことについても困っていた。子どもと一緒に過ごす時間が取れていない実態があり、家事育児の具体的な内容の言及は僅かであった。同時に妻の負担のことを挙げていた。夫が充実した家庭生活を確保できるよう労働環境の改善は急務である。父親が子育てに参画する意義は多数報告がある。夫婦に対する早期の段階からの共働き育児を想定したシミュレーションや教育的介入が求められる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
共働き夫婦の育児の協働の構成因子については、一つの見解を提示できたが、それらを規定する要因について、夫群・妻群それぞれの詳細な母集団での比較検討が、分析の途中段階にある。
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今後の研究の推進方策 |
共働き夫婦の育児の協働に影響を及ぼす要因について検討する。夫群・妻群における多母集団による比較・検討を行う。これらの結果を踏まえて、育児における協働が円滑に遂行されるための支援策について論じ、子育て支援として提言する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究者の都合により、詳細な分析に時間を要した。最終年度の成果報告作成(論文投稿・報告書作成)が当初予定した3年間では間に合わない状況となった。本事業の研究成果について丁寧に成果報告を纏める必要があるため。
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