研究課題/領域番号 |
15K20758
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
川本 祐子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 助教 (70527027)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | アドバンスケアプランニング / 在宅療養移行 / 療養環境選択 |
研究実績の概要 |
初年度である平成27年度は、「自宅で最期を迎えるという患者の望みを実現することを基軸としたアドバンスケアプランニング判断指標」の構成要素抽出のため、文献研究を中心に行った。分析対象となる文献の抽出では、日本における在宅療養移行や療養環境選択の実情を記載した文献(報告書、論文、書籍)を次の方法で選出した。国内外の文献データベース(PubMed、Ovid MEDLINE、CINAHL、医中誌Web、厚生労働科学研究成果データベースなど)を用いた検索方法に加え、文献中の引用文献や学会抄録集などから本研究に関連するテーマを研究する著者を抽出し、前述の文献データベースならびに国立国会図書館 NDL-OPACや書籍販売サイトで著者検索を行った。そして、本研究で設定した選択基準に従い、対象となる文献を選出した。本研究計画当初より、「がん」患者と「非がん」患者を明確に区別して研究成果を示すべきか否かについて検討してきたが、文献研究の段階においては、当該文献の結果が明確に対象(がん患者か非がん患者か)を区別できる文献であれば区別して結果を整理し、区別できない文献は区別できない結果として整理した。選出した文献内容を批判的に吟味し、結果を整理する中で、今後の研究遂行に関わる多くの重要な知見を得ることができた。また、本研究計画当初は、面接調査とデルファイ調査を2年目以降に行う予定であったが、本研究の最終的な成果物をより社会に還元しやすい形にするため、研究計画の一部を見直す必要性も示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成27年度は文献研究を実施したが、対象となる文献は国内外の報告書、論文、書籍など多岐にわたり、当初の予定以上に文献検索ならびに選出に時間を要した。また、本研究計画時は、計画的な研究遂行のため、対象文献の収集や複写作業、資料整理等については、研究補助者と分業して進める予定であった。しかしながら、研究補助者を広く募集するも、条件に合致する従事者を確保できず、雇用に至らなかった。そのため、全ての作業を研究者一人で実施することになり、分析作業に遅れが生じている。今後への対応策としては、研究補助者の募集を継続すると共に、分析補助ソフトウェア等の導入による作業の効率化も検討している。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は文献研究の分析作業を完了させる。また、作業の効率化を図るため、研究補助者の募集を継続し、分析補助ソフトウェア等の導入も検討する。本研究計画当初より文献研究を補足するものとして位置づけていた面接調査については、文献研究結果に応じて、面接調査の必要性や対象、方法を再検討する。また、文献研究結果により他の追加調査(質問紙調査等)が必要となった場合は、当初の計画では平成28年度に予定していなかった支出となるが、費用対効果を十分に吟味したうえで研究手法を決定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
情報収集のため国内外への学会参加費用を研究計画に計上していたが、参加学会の多くが平成27年度は東京近郊で開催されたため、計画時よりも大幅に旅費を削減することができた。また、研究遂行における作業効率を上げるため、研究補助者を雇用するための人件費を平成27年度計画に計上していたが、前述のとおり、条件に合致する研究補助者を確保することができず、雇用に至らなかった。このような事情により、平成28年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
引き続き研究補助者の募集を行い、雇用のための人件費を計上する。また、研究補助者が確保できない場合を想定して、分析補助ソフトウェアならびに対応するオペレーティングシステムを搭載した機器等の購入も検討している。また、調査費用については、面接調査費用として計上している研究費を、質問紙調査等の追加調査費用に充当する可能性がある。
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