本研究の目的は、高齢者本人と家族の意向を尊重した療養場所選択のための意思決定ガイドの開発を行うことである。本年度は、開発した意思決定ガイドを提供する群(介入群)10名と提供しない群(対照群)10名の2群に分け、実行可能性の評価のためのパイロットスタディを行った。その結果、作成した意思決定ガイドの内容及びプロトコールに大きな修正はなく、継続実施可能であると判断した。しかし、評価尺度として用いているDCS(Decision Conflict Scale)の長所と短所の明確化に関する内容が、対象者である高齢者にとって理解困難であった。そのため、不明箇所を補えるように研究補助者と一緒に質問紙調査を実施することとし、研究補助者の対応に関しては、マニュアルによる統一を行った。また、入院前と異なる退院先を選択する者は、独居が多かったことから、新たな質問調査内容として、家族構成の項目を追加した。
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