研究課題/領域番号 |
15K20764
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
石本 恭子 三重大学, 医学系研究科, 助教 (50634945)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | フレイル / 日常生活機能 / 施設入居高齢者 / 介護度 / QOL |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、高齢者の虚弱性を示すフレイル指標を用いてその実態を解明すること、入居高齢者・施設職員・研究者が協働し、個別性のあるフレイル予防のためのケアモデルを提示することにある。 本年度においても継続し、健診を実施し参加者は89人であった(参加率36%)。またアンケート回答者は245人(回答率88%)であった。フレイル基準(Shimada et al JAMDA 2013改)を用いて、健診およびアンケートから有用な回答が得られた83人のフレイル判定を行った(平均年齢85.3±7.2歳、男性22人、女性61人)。非フレイルは4人、プレフレイルは66人、フレイルは13人であった。非フレイルのうち、要介護認定を受けていた人は1人(要支援1)、プレフレイルのうち32人(要支援:13人、要介護1:11人、要介護2:4人、要介護3:3人、要介護4:1人)、フレイルのうち8人(要支援:1人、要介護1:3人、要介護2:3人、要介護3:1人)であった。各群の介護認定の割合には、有意ではなかった。各群において、年齢、7項目基本的日常生活機能、手段的自立、知的能動性、社会的役割、5項目転倒スコア、うつスコアを比較した。基本的日常生活機能の低下(p=0.02)、手段的自立低下(p=0.02)、うつスコア高値(p=0.02)であり、これら項目の低下が介護を必要とする要因となることが予測される。 83人のうち有効な回答が得られていた52名において2015年度のフレイルが判定を行った。2015年においてフレイルと判定され14人のうち、12名は2017年度はプレフレイルであった。有意な結果ではなかったが、疲労感、体重減少の項目において改善がみられていた。一方で、歩行速度、握力ではほぼ改善が見られなかった。疲労感の軽減、栄養改善がフレイルの改善の一助となることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2017年度においても、対象施設職員と協働し、アンケート調査と健診を実施した。対象高齢者に対しては、結果表の配布、結果説明会をおこなった。来年度はこれらの結果を施設職員を対象に解説することを予定し、研究者との連携を図っていく。縦断データの解析には少々遅れは見られるが、おおむね順調に進んでいる。昨年度配布した転倒予防手帳に関しては、季刊誌等で使用方法を示している。
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今後の研究の推進方策 |
定期的な学会報告および、計画的に論文作成を行い成果をまとめていく。来年度もアンケート調査および健診に関する日程調整等は該当施設と話し合いが進んでいる。 対象者のケアの状況についても検討を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 調査や入力作業がスムーズに行えず人件費、物品費への支出が少なかったためである。 (使用計画) 研究・調査に必要な物品購入、海外発表のための旅費、英文校閲などの支出を計画をしている。
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