研究課題
本研究の目的は、高齢者の虚弱性を示す「フレイル」について、サルコペニア、ロコモティブシンドローム、転倒リスクとの関連を示し、フレイル予防のためのケアモデルを開発することにある。本年度は、4年間のフレイル状態の変化について縦断的に検討した。2015年度において、要介護度2未満である高齢者92名を対象に、5項目フレイルスコア(Shimada.et.al JAMDA.2015改)を用いてフレイルを評価した。フレイルなし20名、プレフレイル51名、フレイル21名であった。4年後にフレイルをできたのは46名であった。また4年間で20名が亡くなっていた。9名(平均年齢78.6±6.4、男性3名:女性6名)は、フレイルスコアが4年後も0点であった。特に、2019年度90歳である女性2名は、積極的にクラブ活動に参加したり、外出されたりしている。2015年度および2018年度の健診に参加し、フレイルなし、プレフレイルであった38名(年齢81.3±7.0歳、男性10名、女性28名)名を対象に4年後のプレフレイルからフレイルへの移行に関連する因子をロジスティック回帰分析を用いて検討した。各項目は年齢・性で調整し検討した。4年後9名がプレフレイルからフレイルへと移行した。その結果、手段的自立の自立の有無、うつスコアが統計学的に有意に関連した(p<0.05)また、社会的役割スコアと、その自立の有無、TMIG自立の有無は傾向性であった(p<0.06)。高次機能の低下とうつ傾向がフレイルなし・プレフレイルからフレイルへの移行に関連した。これら機能の低下予防や早期介入がフレイル進行を遅らせる可能性が示唆された。
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