研究課題/領域番号 |
15K20766
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
田上 博喜 宮崎大学, 医学部, 助教 (00729246)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 精神看護 / 統合失調症 / 認知機能 |
研究実績の概要 |
本研究では治療抵抗性統合失調症(treatment-resistant schizophrenia;TRS)者の神経認知機能や社会的認知機能に着目し、看護師の言語的介入法の違いが治療抵抗性統合失調症患者の反応に与える影響を生理学的・心理学的指標を用いて検証する。2015年度は研究協力病院にて予備調査を行った。 治療抵抗性統合失調症者の治療・看護の現状について把握する目的で診療情報をもとに分析を行った。その結果、治療抵抗性統合失調症の基準に該当する者に対してClozapineが積極的に使用されており、該当患者に対してはCPMS(クロザリル患者モニタリングサービス)に準拠し、多様な社会資源を導入するなど、密な医療・看護介入が実施されていることが明らかになった。 さらに治療抵抗性統合失調症者の中でも、Clozapine使用者とそれ以外では転帰が異なることからも、治療抵抗性統合失調症者とそれ以外の統合失調症者の条件の統制が困難であることが示唆された。言語介入課題については、看護師が行う生活に関連した情報収集内容を整理し、言語介入のプログラムを作成中である。 今後は、生活に準拠した内容の言語介入課題を作成し、言語的介入に対する治療抵抗性統合失調症者の反応を、生理学的・心理学的反応を近赤外線スペクトロスコピィ(Near-infrared spectroscopy:NIRS)や心理尺度を用いて調査する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
25年度の予備調査にて治療抵抗性統合失調症者への看護介入の実際については明らかになったが、実際に被験者に対する予備実験が実施できていない。 統合失調症者のリクルートが難航している。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策としては、研究協力病院にて対象者のリクルートを行い、実際に実験を開始する。言語的介入に対する治療抵抗性統合失調症者の反応を、生理学的・心理学的反応を近赤外線スペクトロスコピィ(Near-infrared spectroscopy:NIRS)や心理尺度を用いて調査する。被験者の条件の統制が困難となることが予想されるため、データー収集後に多重比較を行い言語介入の有効性を検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は予備調査のみの実施であり、試験やそれに係る経費を使用しなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
被験者への謝礼や研究協力者への謝礼、試験に必要な物品の購入に充てる。
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