本研究では、精神看護領域における新たな看護技術の導入のため、統合失調症の認知バイアスの矯正を目的とした「メタ認知トレーニング」に着目し、治療抵抗性統合失調症者が通所する精神科デイケアにて、その効果を心理学的指標を用いて検証した。平成29年度までに、オープングループで実施する1クール10セッションの「統合失調症へのメタ認知トレーニング」を4クール行い、18名からデータを得た。メタ認知トレーニング実施前後で、参加者のPANSS陽性症状尺度の得点が有意に低下し、小さな効果を示した。現在、引き続きデータ収集を行い、治療抵抗性統合失調症者とそれ以外の統合失調症者に分けて分析を実施中である。
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