研究課題/領域番号 |
15K20778
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
片井 美菜子 北里大学, 看護学部, 助教 (80623529)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 認知症看護 / リンクナース |
研究実績の概要 |
1年目にあたる平成27年度は、育児休業等の取得により一時的に研究を中断していた。このため、当該年度は1年目に実施する予定であった研究を研究実施計画に基づいて進めた。当該年度前半は、リンクナース育成プログラム作成に向けた文献検討および、研究フィールドの確保のため、研究協力施設への打診および依頼を行い、研究協力施設の確保を行った。 そして、9月には協力施設の研究協力者(認知症看護認定看護師や看護部担当者)らと共に、独自に認知症ケア研修を企画・実施している病院に出向き、担当者(認知症看護認定看護師)から情報提供を得るとともに意見交換を行った。 一方で、国の認知症施策(新オレンジプラン)を踏まえた新たな動きとして、平成28年度診療報酬改定で「認知症ケア加算」が開始された。これは、入院認知症患者の症状の悪化を予防し、身体疾患の治療を円滑に受けられるようにすることを目的に診療報酬化されたものである。認知症ケア加算の算定には、認知症ケアに関する適切な研修を受講することが要件となっており、都道府県や日本老年看護学会等が主催する認知症対応力向上研修が全国で開始されている。 研究協力施設でも複数の看護師が当該年度に研修を受講しており、この研修の受講者が、リンクナースとして平成29年度より活動していくこととなった。当該年度後半は、リンクナース候補者や研究協力者らと複数回、リンクナースとしての活動に関する検討を重ね、次年度からの具体的な活動計画の立案を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度は育児休業取得により一時的に研究を中断していたため、計画していた研究内容を実施できなかった。しかし、1年間の研究期間延長を行い、当該年度は研究1年目に計画していた研究内容を概ね実施することが出来た。 具体的には、本研究に関する文献検討や研究協力施設の確保、専門家(認知症ケアのエキスパート)からの情報提供および意見交換を行った。そして、研究協力施設のリンクナース候補者が決まり、研究協力者らと次年度からの本格的な活動開始に向けた検討を重ねた。 次年度は研究2年目に実施予定であった研究倫理審査への申請・承認を得た後にリンクナース活動を開始していく。
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今後の研究の推進方策 |
次年度からは、リンクナース活動を本格的に開始させていくため、活動開始前後でのリンクナースの変化を調査していく。当初の計画では、リンクナース育成のための研修プログラムを立案してくことを計画していたが、国の認知症施策に基づいた認知症対応力向上研修が開始され、それを受講した看護師は一定の認知症ケアに関するアセスメントや看護方法等の講義・演習を積んでいる。そのため、計画していたリンクナース育成のための研修会の実施は変更し、認知症対応力研修を受講した看護師がリンクナースとして活動していく。当該年度は次年度からのリンクナース活動の内容の検討を行ったため、今後は研究協力施設のリンクナースや研究協力者らと連携しながら活動の支援を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度に育児休業等を取得した(平成27年6月~平成28年3月)ため、一時的に研究を中断していた。このため、本研究の1年目である平成27年度は当初の研究計画通り進展しなかった。研究費は既に平成27年度と平成28年度の2年分を受領しているが、当該年度は平成27年度に計画していた研究内容を実施したため、当該年度の研究計画内容は次年度に実施していく。
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次年度使用額の使用計画 |
当該年度に執行予定であった研究費は、次年度以降に計画通り執行予定である。当初の研究計画から1年間延長申請して研究を進めているため、以降、研究計画を修正し、1年スライドして進めていく。
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