研究課題/領域番号 |
15K20782
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
坂井 志麻 東京女子医科大学, 看護学部, 准教授 (40439831)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 在宅療養移行支援 / 外来看護 |
研究実績の概要 |
在宅療養移行支援、外来-地域連携、外来-病棟連携、外来継続看護、情報共有ツール、transitional care, outpatient careに関する国内外の文献を収集し、看護師の役割、連携システム、効果・評価等の情報をシステマティックに整理した。その結果、long-term follow up systemとして糖尿病や腎疾患患者への長期的なフォローアップシステムによる効果や、がん相談、移植看護相談、フットケア、ストマ外来等の看護専門外来による患者・家族への介入支援が明らかとなった。さらに外来初診患者の受診科振り分け、入院前患者情報取集と入院中に予測されるリスクアセスメントと医療連携による早期介入等の機能を有するpatient flow manegementによる外来システムが普及しつつあり、それらの取り組みによる在院日数や対費用効果が報告されていることが明らかになった。 それらの文献検討結果をふまえて、平成29年度は、地域・外来・病棟間連携における、外来看護の役割や実践内容、課題を明らかにすること、さらに、地域・外来・病棟間連携システムの実態や課題・要望を明らかにするために、病院の外来看護管理者、地域連携室看護師、訪問看護ステーション看護師へ面接調査を実施した。その結果、外来看護師の在宅療養移行支援における役割として、【生活者としての視点でとらえる】【通院時の様子から病状コントロール状況をアセスメントする】【診察医師との橋渡しをする】【地域の活用できる資源を把握する】ことが抽出された。 今後はさらにインタビューデータの詳細な分析を行い、課題の抽出とそこから必要と考えられるシステムや教育内容について検討していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成28年度、インタビュー調査に関する倫理委員会提出及び承認が遅れたことにより、平成28年度に実施する予定であった調査を平成29年度に実施した。面接調査は10名の病院に勤務する外来看護管理者、外来看護師、地域連携室看護師へ実施し、概要に関する分析は実施しているが、今後はさらに地域における訪問看護師への面接調査結果による比較検討が必要とされる。それらの検討結果をもとに、質問項目を作成し、在宅療養移行支援における外来看護の活動実態、課題と外来-地域、外来-病棟間連携の情報共有における実態、外来地域連携システムの実態について明らかにしていくことが必要である。
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今後の研究の推進方策 |
文献検討とヒアリング調査で明らかになった情報をもとに質問紙調査項目を作成する。 全国の特定機能病院、地域医療支援病院、がん診療連携拠点病院、約500施設の外来看護管理者及び、外来地域連携に精通した地域連携室看護師を対象者として、郵送法により、無記名自記式質問紙を看護部長宛てに配布し、外来看護管理者及び、地域連携室看護師に回答を依頼することを、同封した説明文書により依頼する。調査項目は、病院機能、診療科、病床数、外来患者特性、地域連携に関する加算取得状況、退院調整部門の構成と役割、外来看護体制等の基本概要と外来病棟間連携システムについて、外来地域間連携システムについて、各連携における情報共有ツールについて、外来看護師の活動内容や役割、課題、要望などを調査する。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)平成28年度の研究遂行の遅延により、平成29年度に全国調査による質問紙調査が実施できなかったため平成30年度実施する。 (使用計画)郵送法により、無記名自記式質問紙を全国の特定機能病院、地域医療支援病院、がん診療連携拠点病院、約500施設を対象に実施する。その際の質問紙、封筒一式印刷作成費、郵送費、データ入力アルバイト費等に使用する。
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