在宅療養移行支援に関わる地域・外来・病棟間連携システムの実態調査を行い、外来看護の役割や実践内容について以下の知見を得た。特定機能病院18病院(回収率20.9%)、地域医療支援病院111病院(回収率17.9%)、がん診療拠点病院16病院(回収率16.8%)の145病院より回答があり分析した。 病院全体の平均在院日数は14.7(SD12.5)日で、一般病床のみの平均在院日数は、12.2(SD2.3)日であった。1日の平均一般外来患者数は1034.3(SD663.5)人、一般外来看護師数は、50.7(SD35.0)人、1日の平均救急外来患者数は36.5(SD35.4)人であった。入退院支援加算1が119病院(82.1%)で1か月あたり平均253.1(SD191.3)件取得しており、入院時支援加算は103病院(71.1%)で1か月平均63.8(SD82.7)件取得していた。 外来の看護体制では病棟・外来一元管理で病棟と外来を一看護単位とし、看護職員は外来と病棟をローテーションする体制の病院は2割ほどにとどまり、導入も一部の病棟実施がほとんどであった。現状では多くの病院が外来一看護単位の体制であるが、病棟外来間の定期的なカンファレンスや患者の入退院時に外来・病棟間でタイムリーに情報共有できるような電子カルテ上のITシステムの開発も重要となると考える。 外来看護師の実践要素として、IC同席により患者医療者間の橋渡し役となることや、患者の思いを受け止めるなどの患者の受容過程への伴走者となることが明らかとなった。また、疾患の予後・ステージなどの医療的な視点と患者の生活をイメージする生活上の視点を統合的にアセスメントする、生活と医療の統合的視点が外来看護師に求められる重要要素であると考える。
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