研究課題/領域番号 |
15K20787
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研究機関 | 聖隷クリストファー大学 |
研究代表者 |
田中 悠美 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 助教 (00737819)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 自然排泄 / 要介護高齢者 / 訪問看護 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、訪問看護援助により、自然排泄が可能となった要介護高齢者の事例から、自然排泄移行の影響要因と、訪問看護師の具体的援助方法を明らかにし、要介護高齢者の自然排泄移行に向けた訪問看護実践モデルの構成概念を抽出することである。 自然排泄は、トイレ、ポータブルトイレ、尿便器といった排泄に使用する用具を用いて排尿、排便ができることと定義している。 今回は、訪問看護経験年数が3年以上の訪問看護師を対象に半構造的面接を実施し、訪問看護援助により自然排泄が可能となった要介護高齢者の実際の事例について、その状況、実施した看護援助内容とその援助を実施した理由を半構造化面接により得る。研究協力施設8カ所において、担当者から研究対象候補者である訪問看護師を紹介され、研究者が研究協力依頼を行った。2016年4月1日の時点で10名の研究対象者から協力を得て、訪問看護援助により自然排泄が可能となった要介護高齢者12名についてのデータを収集した。面接時間は平均40分であり、インタビューデータは研究対象者の許可を得て録音した。分析は、質的記述的に行い、録音したインタビューデータを文字におこし逐語録としたものをデータとする。これを熟読して意味ある内容ごとに切片化し、要介護高齢者の自然排泄移行に影響した要因、訪問看護師の具体的援助方法を示す内容を抜き出す。さらに、意味内容が類似するものを集めて分類し、サブカテゴリー、カテゴリーを抽出する。現在はこの分析作業を行っており、今後はこの分析の結果作成した要介護高齢者の自然排泄移行の影響要因、訪問看護師の具体的援助方法の構成要素に、考察を加えて要介護高齢者の自然排泄移行を支援すると考えられる訪問看護援助内容を抽出し、要介護高齢者の自然排泄移行に向けた訪問看護実践モデルの構成概念を生成する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
データ収集は平成27年8月から開始したが、インタビュー調査実施にあたり、研究者と研究対象者のスケジュール調整に時間を要したため、データ収集期間が予定より延長した。平成28年6月にはデータ収集終了を予定しており、すでに収集したデータについては分析を進めているため、今後はこれ以上の遅れはないと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
現在協力が得られている研究対象者のデータ収集を行い、平成28年6月までに終えることを予定している。随時、録音もしくは得られた内容を逐語録としてデータとし、質的記述的分析を進める。要介護高齢者の自然排泄移行に向けた訪問看護実践モデルの構成概念の生成にあたっては、訪問看護実践者の協力を依頼しており、実践者の視点での具体的助言も得る。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由として、データ収集に関する交通費が当初の予定よりも抑えられたこと、学会や研修への参加回数が少なかったこと、また、移動先に持ち運びができ、データの保存や分析に使用するためのノートパソコンを購入する予定であったが、研究計画が予定より遅れたため、平成27年度中の購入ができなかったことがあげられる。
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次年度使用額の使用計画 |
前年度未使用額の使用計画として、データ収集にかかる交通費や謝金、テープ起こしを業者に依頼するための使用、移動先で使用するノートパソコンの購入費とすることを予定している。
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