睡眠-生活リズムなどの測定機器(眠りスキャン)を用い、1)地域在住の精神疾患患者の睡眠・生活リズムの測定し、実態を明らかにし、2)それぞれの患者に合った睡眠・生活リズムや生活の工夫を訪問看護師とともに考え、実施することで症状の悪化や再入院を予防し、睡眠・生活リズム改善プログラムを開発することを目的とした。 対象者は9名で、疾患名は統合失調症が5名、双極性障害が2名、統合失調感情障害が1名、うつ病が1名であった。性別は男性5名、女性4名であった。モニタリング期間は33-440日であった。全対象者の終日の平均睡眠時間は10.3±1.1時間であり、平均日中在床時間は4.2±2.8時間であった。平均熟眠度は83.8%であった。統合失調症の5名は終日の平均睡眠時間は10.3±1.2時間であり、夜間の平均睡眠時間は8.2±1.6時間であった。平均日中在床時間は3.4±1.7時間であり、夜間の睡眠に加え、日中に在床している時間が長い現状が明らかになった。 多くの対象者がデイケアや作業所へ通う、通院など日中に外出の機会があると、日中の在床時間が短くなり、熟眠度も高い値となっていた。そのため、睡眠状況に改善が必要な対象者には、睡眠状況が悪くなる要因を睡眠データや生活スタイルから把握し、改善できるよう訪問看護師と共に睡眠・生活リズム改善のための関わりをおこなった。対象者も症状の状況により、睡眠改善介入を実施出来たりできなかったりしたため、睡眠状況の改善は一進一退であった。また、気温や気圧などの影響により、睡眠時間や熟眠度に影響していることが明らかになった。そのため、対象者と天気予報などで気温や気圧を予測し、対処行動をとる取り組みなどもおこなった。
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