研究課題/領域番号 |
15K20800
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
神崎 由紀 山梨大学, 総合研究部, 助教 (80381713)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 社会的孤立 / 高齢者 / アウトリーチ / 地域包括ケア |
研究実績の概要 |
本研究は、看護職が支援している社会的に孤立した高齢者の特徴を明らかにし、社会的に孤立する高齢者への看護職によるアウトリーチ活動を効果的に実践するためのアセスメント指標を開発することを目的とする。 2015年度は、2013年に実施した質問紙調査のデータから、地域包括支援センター看護職1098人が支援している社会的に孤立した高齢者を性別や年齢、世帯構成別にその特徴について分析した。分析の結果、看護職が支援する高齢者4595人のうち、ひとり暮らし高齢者が2580人(56.1%)、後期高齢者3542人(77.1%)であった。後期高齢者の多くで、まだ大丈夫だという自信があるという特徴があった。しかし、認知機能の低下や生活機能の低下が疑われる高齢者が70%以上であり、また、緊急時の対応能力が心配される状態であることが明らかとなった。看護職は、高齢者の機能低下をアセスメントしながらも、高齢者の気持ちに配慮しながら支援している可能性が示唆された。これら分析結果については、2016年度に学会発表する準備を進めている。さらに、データ分析および文献検討の結果から、希望する生活が継続できることを目指して社会的に孤立した高齢者を支援してくためには、高齢者の状態のアセスメントと支援の必要性について、看護職の認識を明らかにする必要性があることが示唆された。これらのことから、社会的に孤立した高齢者を支援する判断する状態についてインタビュー調査の内容を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2015年度のは過去に調査したデータの解析と文献検討、国内外の学術集会での情報収集から調査内容を検討し、インタビュ―調査を実施する計画であった。到達状況として、高齢者の属性に焦点を当てたデータの分析とインタビュー内容の検討はできた。また、数名の看護職への面接調査の内諾を得ることができた。しかし、面接調査の実施ができていない。そのため、当初の計画より、やや遅れていると考える。
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今後の研究の推進方策 |
2016年度は、地域包括支援センターの看護職を対象に、インタビュー調査を行う。また、インタビュー調査の内容については、アウトリーチの必要性ついての看護職のアセスメントに着目して類別し、アセスメント指標(案)の検討を行う予定である。また、2015年に解析した成果については2016年度に国内外の学会で報告する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2016年度は、2015年度に実施できなかったインタビュー調査とその分析を行う予定である。その際、インタビューデータの逐語録の作成やデータ整理に人件費、謝金として必要とするため。
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次年度使用額の使用計画 |
2016年度は、計画の実施が遅れている看護職へのインタビュー調査を実施する。調査データの整理と分析のため、人件費として使用する。また、研究の成果の報告すること、また、インビュー調査内容の分析の考察を深めるため、国内外の学会および学習会へ参加するための旅費、その他印刷費を必要とする。
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