生活習慣病を予防するためには、幼少期から望ましい生活習慣を確立する必要がある。幼少期は生活の管理を保護者に依存しているが、中学生は間食など自ら食物を選択したり、起床や就寝の時刻を自分で決めたり、生活スタイルを自らがコントロールし始める時期である。生活習慣が乱れやすいこの時期に、望ましい生活習慣を構築するための教育を行うことは重要であると考えられる。質問紙調査では、健康的な食行動が低いことや、食に関するメディアリテラシー尺度の自律的判断が低いことは、めまいやたちくらみがあることと関連していた。また、食物摂取頻度調査法と写真撮影法を組み合わせた食事調査で、中学生が主体的に健康的な食習慣を構築するための検討を実施した。写真が食物摂取頻度調査法と写真撮影法を実施した結果、対象者全員は今回の調査に参加する前よりも、「良い食生活」を送る意欲が高まったと回答した。対象者は「食べたものの写真を撮ることによって、自分が食べているものと、足りない食べ物を把握することができた。食事のバランスが偏っているので、気をつけたい。」と回答した。自分の食生活を視覚的に客観的に把握することで、改善点を見つけることができたと考えられる。以上の結果から、自分の生活習慣を視覚で分かりやすくセルフモニタリングすることは、良い生活習慣を育むことにつながる可能性があることが示唆された。対象者数が少ないため、今後も対象者を増やしてその効果について検証を行うことが必要である。
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