研究課題/領域番号 |
15K20803
|
研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
塩満 智子 宮崎大学, 医学部, 助教 (90468025)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 転倒予防 / 壮年期 / 中年期 / 転倒リスク / ロコモ / 体力 |
研究実績の概要 |
平成28年度は、壮年期から中年期にかけての生活、意識・行動・身体の変化を明らかにすることを目的とした。そのために、対象を平成27年度と異なる職業に従事する労働者や地域のロコモ測定受診者、運動施設利用者等に拡大し、データの収集と分析を実施した。 宮崎県内のA市役所職員82名の転倒リスクとロコモの実態を年代別に分析した結果、ロコモ該当者は20歳代に16.7%、40歳代に25.0%、50歳代に11.1%みられた。30歳代は全員非該当であった。転倒リスクについては、リスク中程度(チェック数5~10個)の者が30歳代では5.6%、40歳代では10.7%、50歳代では11.1%を占めた。20歳代には中程度者はいなかった。転倒リスクは30歳代から徐々に高くなることが示唆された。 また、千葉県の運動施設にて実施したロコモ測定に参加した33歳から78歳までの38名について、姿勢重心計測機器による測定(安定時間、左右バランス、前後バランス、片足立ち時間、転倒リスクアンケート)と体力、ロコモ度との関連をみた。その結果、転倒リスクアンケートについて、ロコモ該当群のチェック数が非該当群に比べ有意に多かった。転倒リスクが高い者へのロコモ予防に関する保健指導は重要と考える。 平成27年度の結果は、論文としてまとめ、、日本健康医学会雑誌に投稿し掲載された(「事務的職業に従事する壮年期・中年期労働者の運動習慣及び体力と転倒に対する意識」日本健康医学会雑誌,25巻,2号,107-113,2016)。 今年度の結果は、第7回日本健康運動看護学会学術集会、第26回日本健康医学会、第56回宮崎県スポーツ学会で発表した。これらの内容を整理し、論文としてまとめ、投稿予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度は対象を異なる職業に従事する労働者や地域の運動施設利用者等に拡大し、データを収集できた。また、初年度のデータと合わせて、壮年期から中年期にかけての転倒リスクや身体の変化を明らかにするため、得られたデータをまとめ、学会にて発表した。さらに、初年度、学会発表した内容について、論文としてまとめ投稿し、雑誌に掲載されたことで、今年度の計画はおおむね達成できたため。
|
今後の研究の推進方策 |
最終年度は、壮年期・中年期の身体計測、体力測定、質問紙調査の結果を分析し、壮年期の転倒のメカニズムを明らかにする。また、壮年期からの転倒リスクや身体の変化を自己チェックできる方法を検討し、転倒予防のための自己チェックの方法論を確立する。 結果をまとめ、学会等で発表するとともに、論文を作成し投稿する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度の調査・測定は自己チェックできる方法を検討するため機器による測定を中心としたこと、申請者の所属する講座内の職員に調査補助の協力が得られたことから、調査補助の人件費が不要であった。
|
次年度使用額の使用計画 |
転倒リスクや身体の変化を自己チェックできる普及用ツールの製作費、成果報告会・学会発表等の旅費、研究成果の論文投稿料、報告書の製本費として使用予定である。
|