研究課題/領域番号 |
15K20810
|
研究機関 | 岐阜県立看護大学 |
研究代表者 |
百武 真理子 岐阜県立看護大学, 看護学部, 助教 (50614301)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | へき地 / 地域包括ケアの実態 |
研究実績の概要 |
本研究は、住民の健康維持・増進に深くかかわる診療所看護職を起点とした、へき地における地域包括ケアシステム構築を目指す住民主体の多職種協働モデルの開発を目的としている。 平成27年度は、全国のへき地診療所において看護職を起点とした協働の実態を質問紙により調査した。さらに推進的に地域包括ケアに取り組んでいるへき地診療所を視察し、診療所所在地域と地域住民の特徴およびへき地診療所での地域包括ケアに関する取り組みの実態を明らかにした。 各都道府県2-3か所、計100施設のへき地診療所を対象に、実践されている地域包括ケアのための協働に関する郵送法による質問紙調査を実施した。質問紙の調査項目は、属性、診療所看護活動内容、多施設・多機関での協働内容、等の15項目であった。31の施設から返答があった。診療所のある地域の特性は、山間部が19施設(61.3%)、豪雪地帯11施設(35.5%)、島嶼8施設(25.8%)等であった。地域包括ケアに取り組んでいた診療所は16施設(51.6%)で、取り組んでいない施設は15名(48.4%)であった。地域包括ケアに取り組んでいると回答した施設は、地域包括支援センター、社会福祉協議会等と会議による情報共有を行い、住民の互助や住み慣れた場での生活継続への意識付けを行っていた。地域包括ケアに取り組んでいないと回答した人は、方法が分からない、人的資源の不足、によりできないと理由を挙げた。 A診療所が所在するB地域では、高齢化率が40%を超えており慢性疾患患者や認知症患者が増加している。また、受診のための交通手段がない住民も少なくない。そのような中で、A診療所看護師は多職種や多施設間で情報を共有するだけでなく、患者と仲の良い住民や親類を把握し、その人たちが受診した際にも話を聞き支援を依頼していた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成27年度には、全国100か所のへき地診療所看護師を対象とした質問紙調査と現地での実態調査を実施し、へき地診療所看護師を起点とした地域包括ケアを明らかにしてきた。現地調査を行うための現地との調整に時間がかかり遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
現地との調整がつき次第、実態を調査する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
現地での地域包括ケアに関する実態調査の調整に時間がかかり、現地に赴いた調査ができていないために次年度に持ち越している。そのため、現地までの旅費を次年度に持ち越している。また、物品費についても、現地での調査結果の入力に使用するパソコンを購入する予定であったが、現地調査の見通しがついていなかったため、購入を見送っていた。そのため、次年度に物品費を持ちこしている。
|
次年度使用額の使用計画 |
2か所の現地調査を8~9月に行い、その後逐語録の作成を依頼する。それまでに分析に必要なパソコン等を購入する。
|