• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実施状況報告書

フィリピンにおける自宅分娩者支援のための巡回型産褥期訪問システムの有用性の検証

研究課題

研究課題/領域番号 15K20811
研究機関神戸市看護大学

研究代表者

山下 正  神戸市看護大学, 看護学部, 助教 (90613092)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード産褥 / 褥婦 / 自宅出産 / 自宅分娩 / フィリピン / CHW / ヘルスボランティア
研究実績の概要

平成29年1月にムンティンルパ市(フィリピン)において、現地調査を行った。本調査の目的は、バランガイ・ヘルス・ワーカー(以下、BHW)(なお、BHWは専門職ではなく、ヘルスボランティアである)の産褥期支援における知識・技術・態度の向上を目指した短期間のワークシート活用型トレーニングの成果を検証することであった。
研究方法として、産褥期の文化的背景や参加者の思考を記述するため横断的な質的記述的デザインを採用した。対象者はムンティンルパ市に登録されているBHW12名であった。実施方法は、衛生・生活習慣・保健サービスの項目から構成されたワークシート(以下、WS)を使用し、①個別にWSを作成、②グループワーク、③助産師からの講義を受ける、④評価に関する質問紙の記載、を約3時間かけて行うスタイルをとった。これまでの調査を基にBHWが学習すべき項目をピックアップし、ワークシートを作成した。ワークシートの項目は次の1)~3)から構成され、それぞれ①~③の下位項目を置いた。
1) Sanitary after delivery (①Keep breasts clean, ②Keep vagina clean, ③Treat urination / defecation, ④Use sanitary materials), 2) Postpartum life (①Take healthy food, ②Take rest at home ③Have family planning, ④Visit hospital or health center), 3) Health care service after delivery (①Take postpartum check-up, ②Receive home-visiting service from BHW)
本調査から次の成果がみられた。①フィリピンの産褥期の古くから地域に根付いている文化慣習、近代に発生してきた文化慣習の両方を考える機会となった
②BHWがBHWとしての役割を具体的に自覚するきっかけづくりや、予防的アプローチについて学ぶ機会にもなった。なお、今後は、本成果を基盤として、BHWの教育プログラムを構築し、BHWを活用した地域介入研究として、地域で生活する褥婦の健康状態を測定していく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

・現地調査を行うために必要な時間を十分に捻出することが難しかった。目標の標本数を得るためには、ある程度の現地調査時間が必要であるため、次年度は事前準備等も含めて準備していきたい。

今後の研究の推進方策

今後は、バランガイ・ヘルス・ワーカーの産褥期支援を行うための能力向上の効果を縦断的に測定していく。そのため、バランガイ・ヘルス・ワーカーに対する中長期的なトレーニングプログラムを現地共同研究者と構築していく。同時に、バランガイ・ヘルス・ワーカーを活用した地域介入研究として、地域在住の褥婦の健康状況(健診受診、知識、家族計画など)をアウトカムとした調査を行っていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

昨年度に投稿した論文が採択されていないため、経費支出ができなかったため。

次年度使用額の使用計画

現地調査(フィリピン)で、渡航費・通訳費(タガログ語から英語)・参加謝礼費等の支出予定である。バランガイ・ヘルス・ワーカーの教育プログラムは冊子媒体を作成予定である。本研究の成果発信として、学会発表、学術誌投稿、ホームページの作成(研究成果の公表)を計画している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] Muntinlupa City, Health Department/Department of OBGY of the PGH(Philippines)

    • 国名
      フィリピン
    • 外国機関名
      Muntinlupa City, Health Department/Department of OBGY of the PGH
  • [学会発表] フィリピン都市部における自宅出産者の産褥期支援方法の検討 ―コミュニティヘルスボランティアの養成を通して―2017

    • 著者名/発表者名
      山下正, 田中千佳, 松尾博哉
    • 学会等名
      日本国際保健医療学会 第35回西日本地方会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2017-03-04 – 2017-03-04
  • [学会発表] フィリピンにおける自宅分娩者の産後の健康に影響を与える要因2016

    • 著者名/発表者名
      山下 正
    • 学会等名
      第75回日本公衆衛生学会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2016-10-26 – 2016-10-28
  • [学会発表] The utilization of health care services in postpartum women who had home-delivery and its affect on their health in the Philippine2016

    • 著者名/発表者名
      Tadashi, Y., Sherri, AS., Cecilia, L., Maria, TR., Yuko, T. and Hiroya, M
    • 学会等名
      48th APACPH
    • 発表場所
      Tokyo
    • 年月日
      2016-09-16 – 2016-09-18
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi