研究課題/領域番号 |
15K20818
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研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
永井 智子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 助教 (00735582)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 保健師 / 低出生体重児 / 家族 / 教育プログラム開発 |
研究実績の概要 |
本研究は、保健師を対象とした低出生体重児を育てる家族支援のための教育プログラム開発、試行、評価を実施し、保健師の実践力を高めることを目的としている。 平成29年度は、昨年度から継続している教育プログラムの基礎調査(文献検討、インタビュー調査)を実施し、その結果をもとに教育プログラムの開発を行った。インタビュー調査は、母親7名に個別インタビュー、保健師4名に対してグループインタビューを実施した。インタビューガイドに基づき半構造的インタビューを実施し、質的記述的に分析した。母親が児を育てる上で周囲に望んでいた思いは、【かけがえのない子という思いを共有したい】【少しでも我が子を近くに感じたいという願いを叶えてほしい】【自分の子どもに合った情報がほしい】【医療者のような知識がなくても、おいてきぼりにしないでほしい】【もう一歩踏みこんでかかわってほしい】【同時に変化する家庭生活を支えてほしい】という思いであった。また、継続して保健師に相談をしていた母親はおらず、保健師の役割を知らない母親も多かった。そして、育児の不安を抱えながら保健師にもう一歩踏み込んだ関わりを求めていた。保健師のインタビューからは、低出生体重児支援はケースマネジメント能力と関係するものであり、特に経験の浅い保健師にとって、より難しいものとなることが示された。 よって、本教育プログラムでは、新任期の保健師を対象に、講義、事例検討、情報交換を行う構成とし、知識を実践につなげ事例を掘り下げていく内容とした。また、制度を作り出す意識を高めるために、静岡県の担当者へ連絡を取り、リトルベビーハンドブックの内容を取り入れた。 教育プログラムの試行・評価について、平成30年4月に所属機関の研究倫理審査委員会の承認を得た。次年度は、作成した教育プログラムを試行し、実施後のアンケート用紙を分析し、教育プログラムの評価していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
基礎調査に基づき、教育プログラムの開発を行った。 所属機関の研究倫理審査委員会の承認を得て、試行の準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
教育プログラムの参加者のリクルートを進め、教育プログラムを試行する。 また、実施直後にアンケート調査(アウトカム評価、実施評価、自由記載)を実施し、記述統計の算出と、自由記載の内容分析を行う。 評価結果を参考に、教育プログラムの内容を修正していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定額と使用額に差が生じた理由は、情報を得るために学術集会への参加を予定していたが、日程の都合で参加することができなかったためである。
次年度は、以下の内容で使用する予定である。 教育プログラムを試行とそのための準備で使用する(参加者謝礼、印刷のためのトナー購入、用紙等)。また、施行後のアンケート分析のためのパソコン、ソフトを購入する。新しい情報を得るための学術集会参加のための参加費、旅費としての使用する。研究補助、教育プログラム実施当日の事務として、人件費を使用する。
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