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2016 年度 実施状況報告書

保健師と共に作るタイ地域保健活動支援システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K20819
研究機関中部大学

研究代表者

荒川 尚子  中部大学, 看護実習センター, 助教 (90552076)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード看護情報 / データベースシステム / 地域看護 / データセット / タブレット端末 / システム評価
研究実績の概要

今年度は前年度に実施した現地実証実験で得られたLogデータの解析を国内で実施、入力された住民情報の集約を現地にて参加者主導で実施した。
5か月間でテンプレート総入力数は391件であった。このシステムが適用されたのは101名であり、個人詳細情報テンプレートの入力数は101件であった。システムのイベントLog解析の結果、テンプレートの入力および閲覧時間を含む総使用時間は33時間25分50秒であった。各テンプレート使用時間はおおむね3分~6分前後であった。Logを元にもう少し具体的に使用状況を見ると、糖尿病患者の初回訪問であれば、まず個人詳細テンプレートの使用に約6分、続いて糖尿病サマリーテンプレートの使用に約4分、最後に糖尿病デイリーテンプレートの使用に約5分でトータル15分程度を1回の訪問で使用するといった状況であった。
テンプレートは保健師が本当に必要とする最小限の項目に絞っているため、入力時間は約3~10分で必要な情報を負担なく入力できることも確認できた。便利と感じる機能に関して、カメラ機能による画像記録を残すことができること、GISを用いた地図表示などの機能はタブレット端末ならではの機能である。日常慣れ親しんでいるモバイル端末が新たな操作法を習得する必要が少なく、その優位性が示されていることからも、今回のタブレット端末を用いたシステムの有用性が示唆されると同時に、今までは書き写していた情報も画像として残すことで転記の時間が削減することができ、タブレット端末の機能を生かすことができたと考える。記録様式の標準化によって保健師個々の能力やスキルに左右されにくいデータが蓄積できるようになる。さらに、テンプレートに示された項目は訪問時における保健指導項目のチェックリストとしても機能しており、保健師の活動の質の向上にもつながると考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度は、実証実験で得られたデータの解析、特にシステムLogの解析に予定よりも時間がかかった。また、研究成果の公表も期間内に十分に行うことができなかった。

今後の研究の推進方策

構築したデータベースシステムの実証実験は2か所を予定していたが、1か所で長期間の実証実験を行うことになった。研究結果より、本システムはタイ国内のその他の地域、および周辺国に応用可能であると考えている。そのため、次年度は国際学術誌に研究成果を公表するとともに、まずはタイ国内で地域を変えた実証実験の準備を進め、本研究の発展形としてデータベースの汎用性を高める研究を継続していく。

次年度使用額が生じた理由

前年度から引き続き、研究協力者の旅費が、本研究費以外での支払いとなったため、調査費が大幅に減額できた。また、研究成果の公表が遅れており、今年度に国際学会での研究発表および論文投稿が間に合わなかったためその費用が未使用となっている。

次年度使用額の使用計画

国際学会発表旅費、国際学術誌への論文投稿費用、研究発展のための調査費用に充てる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017 2016

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 現場の保健師と共に作るコミュニティヘルスデータベースシステム―タイ東北部での開発事例―2017

    • 著者名/発表者名
      荒川 尚子
    • 学会等名
      電子情報通信学会 第100回総合大会
    • 発表場所
      名城大学(愛知県名古屋市)
    • 年月日
      2017-03-22
    • 招待講演
  • [学会発表] モバイル端末を利用した地域保健看護データベースシステムの長期運用評価2016

    • 著者名/発表者名
      荒川 尚子
    • 学会等名
      第17回日本医療情報学会看護学術大会
    • 発表場所
      神戸芸術センター(兵庫県神戸市)
    • 年月日
      2016-07-08 – 2016-07-09

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公開日: 2018-01-16  

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