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2017 年度 実績報告書

HuRをターゲットとした分子標的薬の開発~がんの制御を目指して~

研究課題

研究課題/領域番号 15K20822
研究機関北海道大学

研究代表者

格口 渉  北海道大学, 大学病院, 助教 (70740645)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードHuR / ARE-mRNA
研究実績の概要

HuRと結合する化合物を承認薬ライブラリーからスクリーニングし、8種類の化合物がDSF(differential scanning fluorometry)にて濃度依存的に温度変化があることを見出した。その中から、特に有効と考えられた化合物に対し、SPR(surface plasmon resonance)を行い、特異的にHuRに結合していることを確認した。HuRと特異的に結合する化合物としてSuraminが見出された。
Suraminは抗トリパノソーマ薬として開発された薬剤であり、前立腺がんに対して臨床応用されたこともある。一定の成果はでているが、研究は進んでおらず、Suraminのどの作用が、がんに効果的なのかも明らかにされていない。SuraminがHuRの機能を阻害することがわかれば、Suraminのメカニズムを解明する上で大きな発見となる。またHuRノックダウンは、口腔がん細胞の悪性形質を著しく減弱できるため、SuraminがHuRに作用するのであれば、口腔がんに対してより強い抗がん作用を示し、有効な抗がん治療法となる可能性があると考えられた。
これらの理由から、Suraminをヒット化合物として選択し、舌がん細胞株であるHSC-3に対して作用させた。まず、HuRの機能であるARE-mRNAの安定化に対する作用を確認するため、c-fosやcyclinなどのmRNAをReal time RT-PCR方にて確認したところ、これらのARE-mRNAの総量が低下していることが確認できた。スクラッチアッセイを行い細胞運動能を、matrigel invasion chamberを用いて 浸潤能を検索したところ、舌癌細胞株に悪性形質の減弱が見られた。
これらより、Suraminは口腔がんに対する新しい治療方に成り得ると考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 既存薬ライブラリーを用いたHuR標的化合物のスクリーニングと舌癌細胞への効果2017

    • 著者名/発表者名
      格口渉
    • 学会等名
      第62回(公社)日本口腔外科学会総会

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公開日: 2018-12-17  

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