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2017 年度 実績報告書

第一次世界大戦の戦前から戦後期にかけての『自衛―独立ユダヤ週刊新聞』の活動状況

研究課題

研究課題/領域番号 15K20823
研究機関北海道大学

研究代表者

中村 寿  北海道大学, 文学研究科, 専門研究員 (40733308)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードドイツ語ドイツ文学 / 東欧近現代史 / ユダヤ人研究 / ユダヤ人新聞
研究実績の概要

報告者によるこれまでの『自衛―独立ユダヤ週刊新聞』の研究を通じて、ボヘミア王国期の『自衛』(1907-1918)は、パレスチナにおけるユダヤ人国家の建設を計画していたのではなく、ハプスブルク君主国の枠内でのユダヤ人自治を構想していたことが検証されている。『自衛』では、ユダヤ人自治のモデルとして、リヒャルト・ハルマッツの『ドイツ系オーストリアの政治(Deutsch-oesterreichische Politik)』が引用されていた。H29年度は、ハルマッツによる当該著作を中心に、君主国における民族自治構想についての調査を進めた。
ハルマッツは、君主国在住のユダヤ人について、彼らの言語文化的な多様さから、ドイツ人、チェコ人ほかと対等な「国民(Nation)」とは見なしていなかった。『自衛』は、ハルマッツらの構想した「民族連邦制」に依拠しながら、ユダヤ語つまりイディッシュ語に注目することを通じて、チェコ人、ポーランド人、ルテニア人ほかと対等なユダヤ人の政治的権利を主張していた。その成果については、北大文学研究科の学術雑誌『独語独文学研究年報 第44号』に論文として公表されたほか、論文の一部は、北海道ドイツ文学会 第84回研究発表会にて、口頭で報告された。
2018年2月から3月にかけて、報告者はオーストリア国立図書館(ウィーン)にて、『自衛』の過去記事の閲覧、収集作業を実施した。図書館調査のほか、報告者はドイツにおけるユダヤ人新聞のデジタルアーカイヴについての聴き取り調査のため、フランクフルト大学図書館を訪問した。ドイツでは、アーカイヴの管理者ラーヘル・ホイベルガー博士(Dr. Rachel Heuberger)から、プロジェクトの経緯、波及効果、問題点などについて簡単なレクチャーを受けた。継続プロジェクト(18K12383)では、ホイベルガー博士の来日を計画している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 2件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] リヒャルト・ハルマッツによるユダヤ民族の位置づけ-『ドイツ系オーストリアの政治-オーストリアのリベラリズムと外交政策についての研究』-2018

    • 著者名/発表者名
      中村 寿
    • 雑誌名

      独語独文学研究年報

      巻: 44 ページ: 173-193

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 世紀転換期プラハのユダヤ系ドイツ語メディア2017

    • 著者名/発表者名
      中村 寿
    • 雑誌名

      日本独文学会研究叢書 三谷研爾 編<プラハのドイツ語文学>再考

      巻: 123 ページ: 21-34

    • オープンアクセス
  • [学会発表] リヒャルト・ハルマッツにおけるユダヤ民族の位置づけ2017

    • 著者名/発表者名
      中村 寿
    • 学会等名
      北海道ドイツ文学会 第84回研究発表会

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公開日: 2018-12-17  

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