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2015 年度 実施状況報告書

根の分布特性に関わる量的形質遺伝子座の同定

研究課題

研究課題/領域番号 15K20839
研究機関帯広畜産大学

研究代表者

森 正彦  帯広畜産大学, 畜産学部, 助教 (60645711)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワードコムギ / 根 / QTL
研究実績の概要

安定的かつ持続的なコムギ生産を維持するためには、世界的に問題となっている乾燥や過湿といった水ストレスをいかに軽減するかが重要となる。根の分布特性は、このような環境下で収量低下を防ぐために重要な役割を担う形質の1つである。しかし、コムギにおいて根の分布特性を決定する効果の大きな遺伝子座(QTLs)は未だ特定されていない。このため、遺伝情報をもとに効率的に水ストレスに強い品種を開発することは困難である。本研究では、根の分布特性を決定する要因の1つである種子根伸長角度の決定に大きな効果を持つQTLsを同定する。そして、種子根伸長角度が顕著に異なる材料を用いて根の分布特性と水ストレス(乾燥・過湿)反応との関係性を明らかにする。また、遺伝子候補領域を絞り込むために必要となる準同質遺伝子系統の作出に向けて実験材料の育成を進める。
本年度は、土壌への垂直方向の種子根伸長角度が特に小さく根の分布が浅い「シロガネコムギ」と種子根伸長角度が大きく根の分布が深い「Rosella」との交配から得られた組換え自殖系統を(RILs)を育成し、各系統の根の伸長角度を評価した。その結果、RILsの種子根伸長角度は連続的に分布し、幅広い変異があることを見出した。また、次年度に水ストレス耐性試験に使用予定である根の伸長角度の浅い系統および深い系統をそれぞれ10系統ずつ選抜した。マーカー解析は既報のSSRマーカー情報をもとに両親間の多型解析を進め、RILsのジェノタイピングに使用可能な240個のマーカーを選定した。現在、RILsの遺伝子型を順次決定しており、染色体連鎖地図構築およびQTLs解析に向けたデータを蓄積している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り、本年度はRILsを育成し、各系統の種子根伸長角度を評価した。現在進行中でRILsの遺伝子型を決定しているため、染色体連鎖地図は完成していない。また、これまでにジェノタイピングを終了したマーカーの中には、種子根伸長角度の決定に関わるものは無かった。しかし、着実にRILsの遺伝子型データは蓄積している。次年度に予定していた材料養成の一部は前倒しで進行している。

今後の研究の推進方策

RILsの遺伝子型解析を引き続き行い、染色体連鎖地図を構築しQTLsの検出を行う。また、QTLsを検出した領域に関しては近傍領域のマーカー数増加を図り、準同質遺伝子系統の作出に向けて戻し交配を進める際に使用可能な選抜マーカーとして利用する。連鎖地図に大きなギャップが生じた場合には、新たなSSRマーカーを用いて連鎖地図の充実に努める。
今年度、種子根伸長角度の違いにより選抜したRILsを供試して、これらを乾燥・過湿条件下で栽培する。コムギの生育に及ぼす水ストレスの影響を調査し、根系の分布特性と水ストレス耐性の関係性を評価する。

次年度使用額が生じた理由

当該年度は計画的に予算執行をしてきたが、設備(人工気象器)が当初予定より安価に購入できたこともあり9,341円の残額が生じた。

次年度使用額の使用計画

次年度の予算(旅費)に組み込み、計画的かつ適正に使用する。

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公開日: 2017-01-06  

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