本研究は,路面の縦断凹凸由来の生体疲労について,人の精神的負荷および認知的注意の観点から,ドライビングシミュレータを用いた走行試験を実施し検討したものである.結果として,路面凹凸の増加に伴い,認知反応時間が有意に増加する場合,生理的に定量化された短期的および長期的な精神的ストレスが共に増加することがわかった.この結果より,路面凹凸の増加は,快適性の低下のみならず,疲労の増加に伴う反応時間の増加により,安全性の低下につながることを明らかにした.また,生理心理反応に基づき,幹線道路における縦断凹凸の許容限界について検討し,既存研究成果を裏付ける結果を得た.
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