研究課題/領域番号 |
15K20848
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
田中 義久 弘前大学, 教育学部, 講師 (80610633)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | カリキュラム開発 / 関数 / 方程式 / 授業実践 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,関数から方程式へと展開する数学教育カリキュラムを開発し,その効果を明らかにすることである。このための研究方法は,教材内容の構成原理を特定するとともに,その原理に基づいたモデル単元を生徒の実態を踏まえて構築し,授業実践を行うことである。 研究の初年度である平成27年度は,教材内容の構成原理を特定するために,昭和10年代に作られた関数を中心とした構成をもつ数学教科書の分析を行い,その結果をまとめた論文を作成し,2015年10月に日本数学教育学会誌への投稿を行った。審査結果を受けて,2016年5月に再投稿を行う予定である。 平成27年度には,カリキュラムの開発に向けて,一元一次方程式の理解に関する調査問題を作成し,附属中学校1年生を調査対象として2015年5月に実施した。「等式の性質」が未習の段階において,生徒がどのような方法で方程式を解こうとするのかに関する理解の実態の把握に努めた。生徒は,方程式の両辺のうち,どちらか一方の辺に文字がある場合には,逆算を用いて解決する傾向があった。しかし,両辺に文字がある方程式の場合には,代入することによって両辺の数量が一致するかどうかを計算して求めていた。この調査に関する結果を平成28年度にまとめる予定である。 2016年3月には,平成28年度に予定している授業実践に向けて,モデル単元を構築し,構築した内容の検討を行った。 これらにより,附属中学校教員の協力を得ながら実践に臨むための研究を進めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究課題の進捗状況は,おおむね順調に進展している。これまでの自己の研究を整理してまとめる作業により新たな知見を得ることができていることとともに,附属学校教員からの調査に関する積極的な協力をいただいていることがその理由である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策については,構築したモデル単元を再度見直し,さらに,実践に移すための細案を吟味していく。 研究の遂行に当たっては,実践を附属学校教員に協力いただくため,これまで以上に連携を密にしていく必要がある。研究計画の共有を丁寧に図っていくことが重要であると考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
授業実践は平成27年度(研究1年目)には予定しておらず,平成28年度(研究2年目)と平成29年度(研究3年目)に予定している。このため,当初の使用予定に対して「物品費」「人件費・謝金」の支出を特に必要としなかった。しかしながら,平成28度以降は,これらの経費が授業実践時において集中的に必要になると考えている。
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次年度使用額の使用計画 |
研究2年目は,実践授業を弘前地区で予定しているため,①授業実践に向けた講演のための謝金(7月,10月を予定),②授業実践者との打ち合わせのための会議費(5月~10月中に3回実施予定),③実践授業データの収集と整理に関する物品費と人件費とが集中的に必要となる。 同様に,研究3年目も,実践授業を東京地区で予定しているため,上記と同様に謝金,会議費,物品費と人件費が必要となり,研究代表者が東京地区に赴くための旅費も必要である。
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