放射線治療において,治療効果を高めつつ副作用を避けるためには,病巣周辺の健康な組織への照射を極力避け,腫瘍のみへの正確な照射が要求される。とくに肺腫瘍では,照射中も呼吸などに起因してその位置,形状などが変化するため,その変化をリアルタイムに把握可能なX線透視による画像計測が期待されている。本研究では,輝度値を基本とする一般的手法よりも雑音に対して頑強なアルゴリズムを提案し,高精度と高速な腫瘍位置・輪郭の追跡手法を開発した。臨床データを用いた性能検証により,提案法は従来法よりも正確かつ高速な画像計測が可能であることを実証した。
|