副甲状腺ホルモン (PTH) 製剤は種々の骨粗鬆症治療薬の中で唯一、骨芽細胞分化を誘導し骨形成を促進する。しかし、PTHによる骨芽細胞分化と骨形成の分子機構には不明な点が多く残されており、解明が必要とされていた。本研究によって、PTH受容体に結合するタンパク質4.1GとTctex-1は、PTH受容体を介するGs/アデニル酸シクラーゼ/サイクリックAMP (cAMP) シグナルを、それぞれ抑制と亢進することが見出された。一方、4.1Gはアスコルビン酸/β-グリセロリン酸誘導性の骨芽細胞分化を亢進することから、cAMP産生制御とは異なる分子機構によって、骨芽細胞分化を制御することが示された。
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