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2015 年度 実施状況報告書

妊婦および小児におけるインフルエンザワクチンの有効性・安全性評価

研究課題

研究課題/領域番号 15K20862
研究機関東北大学

研究代表者

小原 拓  東北大学, 大学病院, 准教授 (80612019)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード医薬品情報・安全性学 / 予防医学
研究実績の概要

宮城県岩沼市のスズキ記念病院で実施しているBOSHI研究、および宮城県内の環境省「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」の追加調査においては、研究対象者の診療録・妊婦健診情報・分娩記録等の収集が順当に進み、次年度以降にインフルエンザワクチン接種の有効性解析が実施可能になる見込みである。
平成27年6月の時点で、宮城県白石市内の幼稚園・保育園・小学校に通園・通学中の児童2,643名、および埼玉県蕨・戸田市内の幼稚園・保育園・小学校に通園・通学中の児童21,971名の保護者を対象に、基礎特性、インフルエンザワクチン接種状況、インフルエンザ感染等に関する自記式質問票を配布・回収した(回収率:白石市86%、蕨・戸田市69%)。インフルエンザワクチン接種の有効性は、宮城県白石市調査では、1回接種では認められず、2回接種では35%(12-52%)であり、埼玉県蕨・戸田市調査では、1回接種では14%(3-24%)、2回接種では、31%(24-37%)であった。宮城県白石市調査でインフルエンザワクチン接種の安全性を評価した結果、接種後の副反応としては、発赤が19%と最も多く、次いで腫脹(16%)、しこり(10%)、熱感(7%)の順に多く、アナフィラキシーの回答はなかった。本調査の結果、平成26-27年シーズンのインフルエンザワクチン接種による重篤な副反応は認められず、ワクチン2回接種がインフルエンザ感染の予防に寄与していたことが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

宮城県岩沼市のスズキ記念病院で平成18年に開始されたBOSHI研究に関しては、医療機関スタッフとの密な連携が構築されており、対象者の情報収集がスムーズに行われている。
宮城県内の環境省「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」の追加調査に関しては、当初予定よりも多数の合計3,800組の母子の参加が得られており、かつ高い追跡率を維持した状態で追跡調査が推進されている。
宮城県白石市および埼玉県蕨・戸田市の児童を対象とした調査に関しては、共に非常に高い回収率が得られており(宮城県白石市:86%、埼玉県蕨・戸田市:69%)、本調査結果が高い外的妥当性を持って現場へフィードバック可能なものとなっている。医師会はもちろん、自治体・教育委員会・調査対象施設との良好な関係を構築されている。

今後の研究の推進方策

宮城県岩沼市のスズキ記念病院で実施しているBOSHI研究、および宮城県内の環境省「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」の追加調査に関しては、研究対象者の診療録・妊婦健診情報・分娩記録等の収集および追跡調査を鋭意進め、インフルエンザワクチン接種の有効性解析および妊婦のインフルエンザワクチン接種と児のインフルエンザ感染との関連に関する解析を実施する。
平成27-28年シーズンのインフルエンザワクチンが従来の3価ワクチンから4価ワクチンに変更されたことに伴い、4価ワクチンの有効性・安全性を評価する。方法としては、平成27年度と同様の方法を用いて、平成28年6月の時点で、宮城県白石市内の幼稚園・保育園・小学校に通園・通学中の児童、および埼玉県蕨・戸田市内の幼稚園・保育園・小学校に通園・通学中の児童の保護者を対象に、自記式質問票に基づく調査を行う。更なる回収率向上のため、調査時に、昨シーズンの結果を再度還元し、調査の意義をご理解いただけるように努める。

次年度使用額が生じた理由

当初の執行計画通り執行している中で端数が生じたが、年度内に残金を執行する必要が生じなかったため。

次年度使用額の使用計画

次年度への繰越額は少額であり、当初の次年度執行計画の中で執行する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] 本邦の妊婦における医薬品使用の安全性評価2015

    • 著者名/発表者名
      小原 拓
    • 雑誌名

      医薬品相互作用研究

      巻: 39 ページ: 1-8

    • 査読あり
  • [学会発表] 薬剤師によるエビデンスの評価・創出のために2016

    • 著者名/発表者名
      小原 拓
    • 学会等名
      第146回宮城県病院薬剤師会学術研究発表会
    • 発表場所
      東北大学(宮城県仙台市)
    • 年月日
      2016-03-06 – 2016-03-06
    • 招待講演
  • [学会発表] 知っておくべき妊娠と薬の知識 -妊娠と薬外来の経験から-2016

    • 著者名/発表者名
      小原 拓
    • 学会等名
      第4回妊婦授乳婦薬物療法研修会
    • 発表場所
      TKPガーデンシティ仙台(宮城県仙台市)
    • 年月日
      2016-02-27 – 2016-02-27
    • 招待講演
  • [学会発表] 小児におけるインフルエンザワクチンの有効性に関する検討:埼玉県蕨戸田市医師会調査2014-2015年2016

    • 著者名/発表者名
      松田 彩子、浅山 敬、小原 拓、八木 直人、大久保 孝義
    • 学会等名
      第26回日本疫学会学術総会
    • 発表場所
      米子コンベンションセンターBigShip(鳥取県米子市)
    • 年月日
      2016-01-21 – 2016-01-23

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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