研究課題/領域番号 |
15K20867
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
領家 梨恵 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (10737464)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ラット / PTSD / MRI / 恐怖 / 不安 / 情動 |
研究実績の概要 |
1995年の阪神・淡路大震災から、心的外傷後ストレス障害(PTSD)と呼ばれる慢性ストレス関連精神疾患が知られるようになり、2011年の東日本大震災においてもPTSD発症は社会的問題となっている。本研究は、PTSD発症要因を明らかにするため、PTSDモデル動物の脳機能・形態変化と行動変化を経時的に観察するものである。小動物用核磁気共鳴画像法(MRI)を用いて、非侵襲的に同一個体の脳形態変化を経時的に測定することで、強いストレッサーによって引き起こされたの脳の可塑的変化がいつの時点において生じているのかを検討する。 ラットを用いたVoxel-based morphometry解析MRIを行った。ヒトMRIと同様にネズミの全脳体積を網羅に測定が可能な方法である。これにより、ラットへのストレス負荷前後の脳体積変化を網羅的に検討するための条件設定を調整した。 不安様行動およびうつ様行動を観察するため、オープンフィールド装置を用いた。 画像解析ソフトウェアを用いた行動自動解析の妥当性を検討し、行動の自動測定が可能であることを確認した。具体的には、総移動距離、中心滞在時間、中心滞在割合、および立ち上がり回数を測定した。 引き続き、これら形態学的MRIおよび動物行動解析手法をもちいて、ストレス負荷動物の経時的脳内変化および情動変化を検討する予定である。 ストレス関連精神疾患の病態解明の足掛かりとなる意義のある実験となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
小動物MRIを用いた形態変化の検討は概ね計画通りに進んでいる。 しかし最良の実験結果を得られるよう、ラットの大きさと実験デザインに最適な実験装置を設計する必要が生じ、特注の実験装置を購入した。装置設計と作成に時間を要し、行動実験の進行にやや遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、脳全体を対象としたストレス前後の経時的な変化を明らかにするとともに、複数の脳領域間の連合が恐怖反応増強に及ぼす影響を明らかにする。 電撃装置の搬入の遅れがあるため、電撃を用いた実験群の被験体数確保を年度初めに重点的に行う。 脳局所薬物投与を行う予定ではあったが、実験期間内に効率よく実験を遂行するため、腹腔内薬物投与を行うことで行動薬理学的解析を行うこととする。
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次年度使用額が生じた理由 |
ネズミの大きさに合わせた適当な寸法の電撃装置を用いて実験を遂行するために業者に特注した電撃装置を購入する必要が生じたため、実験の遅れが生じ、予定していた使用額よりを下回った。
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次年度使用額の使用計画 |
遅れが生じた実験を次年度に繰り下げて行うために実験計画にのっとり、実験動物の購入、飼育、実験消耗品の購入および、研究成果報告のための学術会議参加と国際ジャーナル投稿に使用を予定している。
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