研究課題
本研究では、超高層ビルのヘルスモニタリングの高度化(高密度と広域化)を目指し、地震計が設置されてない超高層ビルでも簡単な観測ききで常時微動を計測し、波動伝搬理論に基づく各層に伝搬するせん断波の速度を抽出する手法の適用性および適用条件を検討した。(1) せん断波伝播速度が超高層ビルの常時微動記録から抽出することの有効性を地震動、常時微動および3Dモデルにより実証した。建物の中心軸および平面に分散設置される地震計の常時微動記録から抽出するせん断波速度の結果を比較することにより、曲げ振動とねじれ振動の影響がある場合、層間せん断波速度抽出手法の有効性実証および本手法の超高層ビルへの最適化条件、他の振動モードの影響を評価する技術の確立を達成した。(2) 基本モードと高次モードをそれぞれ解析を行う時に、各モードに対する周波数の解析範囲はせん断波速度の解析結果の精度についての影響を検討した。(3) 本手法におけるせん断波伝播速度の抽出はせん断振動、曲げ振動およびねじれ振動が共存する建物への適用性と適用条件および効率的に抽出するため、周波数範囲の選択を系統的にあきらかとし、複雑な振動モードが有する超高層ビルの層間せん断波速度の抽出手法の有効性を実証した上、層間せん断波速度の変化により建物の健全性・被災度の評価手法を構築した。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 6件、 招待講演 1件)
Journal of seismology
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DOI 10.1007/s10950-017-9659-z
日本建築学会技術報告集