今年度は、主にグラフ理論や離散構造についての問題に取り組んだ。今年度の研究成果は以下の通りである。(1)グラフの半順序競争次元について研究を行い、ダイアモンドを含まないコーダルグラフの半順序競争次元は3以下であることを証明した。また半順序競争次元が3より大きいコーダルグラフの存在についても示した。(2)次数が制限された有向グラフのphylogeny graphについて研究を行い、入次数と出次数が高々2である有向グラフのphylogeny graphの構造について、K_5フリーであることを示し、さらにそれがコーダルグラフとなるための必要条件を与えた。また、phylogeny graphがコーダルグラフとなる入次数と出次数が高々2である有向グラフのクラスに対してその禁止部分有向グラフも与えた。(3)トラベル・グルーポイドという代数構造に対し、その組合せ的特徴づけを与えた。(4)ランダム割当問題においてポリマトロイド的制約を加えた拡張問題に対し、劣モジュラネットワークフローのアルゴリズムを用いて、望ましい割当メカニズムの設計を行った。 それから、次のような研究活動も行った。2017年10月開催の「第29回RAMPシンポジウム」をプログラム委員長としてお手伝いした。また同2017年10月には、研究集会世話人の1人として「The 6th Workshop on Spectral Graph Theory and Related Topics」を鳥取大学にて開催した。
|