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2015 年度 実施状況報告書

DNAメチル化・脱メチル化による摂食代謝調節機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K20903
研究機関群馬大学

研究代表者

河野 大輔  群馬大学, 先端科学研究指導者育成ユニット, 助教 (10382904)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワードDNAメチル化 / DNMT3a / TET1 / チロシン水酸化酵素 / 肥満
研究実績の概要

近年、食事などの環境要因により、肥満者の割合が世界的に急増している。体重は、エネルギーの摂取と消費のバランスを反映しているが、視床下部摂食代謝中枢は、食欲や熱産生を制御することにより全身のエネルギーバランスの制御に重要な役割を果たしている。環境要因による後天的な遺伝子調節機構にDNAメチル化修飾などのエピゲノム修飾がある。我々はこれまでに、視床下部室傍核において、DNAメチル化酵素であるDNMT3aが体重の調節に必須の役割を果たしていることや、その機序にチロシン水酸化酵素(TH)が関与していることを明らかにしてきた。一方で、DNAメチル化調節に関わるそれぞれの分子の役割や、視床下部摂食代謝中枢におけるTHの役割については、いまだ不明な点が多い。そこで本研究では、DNA脱メチル化酵素のTET1やTHの視床下部摂食代謝中枢における役割を明らかにすることを目的とした。視床下部室傍核特異的TET1欠損マウスおよびTH欠損マウスを作製し、体重などの表現型を調べている。さらに視床下部室傍核特異的DNMT3a/TET1ダブル欠損マウスを作製し、DNMT3a欠損による肥満の発症がTET1の欠損により抑えられるか調べている。さらに、DNMT3aによる肥満の発症にTHが関わっているか調べるために、視床下部室傍核特異的DNMT3a/THダブル欠損マウスを作製し、表現型を調べている。これらにより、視床下部摂食代謝におけるDNAメチル化調節の詳細とその体重調節における役割についての理解が進む。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

視床下部室傍核特異的TET1欠損マウス、視床下部室傍核特異的TH欠損マウス、視床下部室傍核特異的DNMT3a欠損マウスを作成した。3~8週齢の視床下部室傍核特異的TET1欠損マウスは、オス、メスともにコントロールマウスと比較して体重に有意な違いは見られなかった。また、3~15週齢の視床下部室傍核特異的TH欠損マウスも、オス、メスともにコントロールマウスと比較して体重に有意な違いは見られなかった。一方、視床下部室傍核特異的DNMT3a欠損マウスは、以前に報告した時と同様に、肥満を発症することが確認できた。現在、視床下部室傍核特異的DNMT3a/TET1ダブル欠損マウスおよび視床下部室傍核特異的DNMT3a/THダブル欠損マウスを作成しているところである。

今後の研究の推進方策

今後、視床下部室傍核特異的DNMT3a/TET1ダブル欠損マウスおよび視床下部室傍核特異的DNMT3a/THダブル欠損マウスの体重などの表現型を調べることを計画している。さらに、餌の条件を高脂肪食等に変えたときにおけるTET1欠損マウス、TH欠損マウス、ダブル欠損マウスの表現型についても調べる予定である。

次年度使用額が生じた理由

一部の実験を初年度ではなく、次年度に行うように変更したため、初年度の使用額が予定よりも少なくなった。

次年度使用額の使用計画

表現型の解析に必要な消耗品の購入や研究補助者の雇用に使用する予定である。

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公開日: 2017-01-06  

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