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2015 年度 実施状況報告書

光遺伝学を用いた小脳神経回路における区画構築の統合的解析

研究課題

研究課題/領域番号 15K20907
研究機関埼玉大学

研究代表者

津田 佐知子  埼玉大学, 研究企画推進室, 助教 (80736786)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード小脳神経回路 / ゼブラフィッシュ / 光遺伝学 / All optical system
研究実績の概要

平成27年度には、小脳の区画形成機構の解析系の作成と、これを用いた神経回路の機能解析を行った。
まず新たにパターン光刺激装置を導入し、ゼブラフィッシュ小脳におけるin vivo神経活動記録と活動制御を共に光遺伝学的に行う実験系(All Optical System)を作成した。活動記録においては、カルシウムセンサー(G-CaMP)のトランスジェニック系統を用いた高速イメージングにより、発生中の小脳における神経活動の観察を行い、小脳において異なる活動パターンを示す区画様の領域を複数見出した。また、小脳への入力が知られる触刺激や視覚刺激を与えた結果、それぞれ異なる活動パターンが小脳において観察され、これらが小脳の機能的区画の一端であることが示唆された。さらに、小脳に顕著な抑制性シグナルの観察に適した膜電位イメージングを行うため、新たな膜電位センサーASAP1などについて、Tol2システムを用いたトランスジェニック魚の作成を行った。ASAP1をHuプロモーター制御下で発現させた胚の観察により、ASAP1の細胞膜への局在と、電気刺激に伴う小脳における膜電位応答を確認した。この刺激応答はテトロドトキシン投与により消失したことから、ゼブラフィッシュにおいてASAP1を用いた神経活動の観察に成功したと結論した。
一方、光を用いた神経活動制御については、光遺伝学プローブChannelrhodopsinのトランスジェニック系統を用い、パターン光刺激と行動観察を行った結果、後脳領域での光照射による逃避行動の誘発や、視覚刺激応答への変化を見出している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

神経活動の記録・制御システムの作成、またこれを用いた小脳の活動解析など、問題なく進んでいる。

今後の研究の推進方策

作成したAll Optical System(AOS)を用いて、小脳神経回路の発生段階を追った解析を行い、区画の形成過程を明らかにする。また、新たな赤型カルシウム・膜電位センサートランスジェニック系統を作成しAOSに用いることで、区画の神経回路の構成についての詳細解析を行う。

次年度使用額が生じた理由

調達方法を工夫した結果、使用額を減額できたため。

次年度使用額の使用計画

物品購入に用いる予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016 2015

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 小脳神経回路発生における形態・機能的な領域化:ゼブラフィッシュにおける4次元イメージング2016

    • 著者名/発表者名
      津田佐知子、金野李咲、宮澤碩彬、弥益恭
    • 学会等名
      第39回日本神経科学大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)
    • 年月日
      2016-07-21
  • [学会発表] 小脳機能的神経回路の形成機構:ゼブラフィッシュにおけるall-optogenetic system構築の試み2015

    • 著者名/発表者名
      津田佐知子、弥益恭
    • 学会等名
      第38回日本神経科学大会
    • 発表場所
      神戸国際会議場(兵庫県神戸市)
    • 年月日
      2015-07-30
  • [学会発表] Dynamic migratory behaviors of gbx2-expressing cells during brain compartmentalization -4D imaging in zebrafish embryos-2015

    • 著者名/発表者名
      Sachiko Tsuda, Kyo Yamasu
    • 学会等名
      48th Annual Meeting for the Japanese Society of Developmental Biologists and Asia-Pacific Developmental Biology Network
    • 発表場所
      つくば国際会議場(茨城県つくば市)
    • 年月日
      2015-06-04
    • 国際学会
  • [図書] Molecular Neuroendocrinology: From genometogenome to physiology2016

    • 著者名/発表者名
      Ryuichi Nakajima, Sachiko Tsuda, Jinsook Kim, George Augustine
    • 総ページ数
      488
    • 出版者
      Wiley-Blackwell and the International Neuroendocrine Federation

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公開日: 2017-01-06  

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