研究課題
昨年度に引き続き、「社交不安症患者の反すうの実態に関するインタビュー研究」に取り組んだ。この研究は、電話による1対1の半構造化面接法を用いた質的研究である。インタビューガイドのパイロット版は、社交不安症の治療経験を有する専門家3名で作成した。このパイロット版を用いて社交不安症患者2名に予備調査を行い、微修正を加えたものを最終版のインタビューガイドとした研究対象者となった21名は、全員が社交不安症の主診断を満たした。なお、研究参加後に同意を撤回したものはいなかった。 参加者の平均年齢は39.2歳(SD = 9.2)、女性が16名(76.0%)、既婚者が12名(57.0%)、最終学歴大卒以上が12名(57.0%)、 社交不安症により無職のものが4名(19.0%)であった。社交不安症の発症時平均年齢は17.2歳(SD = 9.2)、罹病機関が22.0年(SD = 11.3)であった。 Liebowitz社会不安尺度(LSAS)(Liebowitz, 1987)によって評価された社会的不安の平均重症度は79.0(SD = 20.1)であった。併存疾患を有する患者は15名(71.4%)であった。内訳は、大うつ病性障害が7名(33.3%)、強迫症が3名(14.3%)、パニック症が2名(9.5%)、パニックを伴わない広場恐怖症2名(9.5%)、その他4名(19.0%)であった。現在、回収したインタビューの音声データのテープ起こしと質的な分析を実施している。また、今年度より新たに患者教育用資料の作成にも着手している。
3: やや遅れている
インタビューデータの分析を海外在住の専門家を含む3名で実施しているため、予定通りWEB会議の日程調整が進まず分析に時間を要している。
1名の研究者が日本の研究機関に異動が決まったため、今後は日程調整がスムーズに進むことが想定される。
研究進捗の遅れに伴い補助事業期間を延長したため。
次年度論文作成にあたっての英文校閲費、論文掲載費等に使用する予定である。
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