反すうとは「社交状況での行為を終えた後に、そのときの状況(自分のパフォーマンスや他者の反応)を詳細に、かつ、否定的に振り返るプロセス」のことを指す。本研究では、反すうが維持されるプロセスを明らかにするために、社交不安症患者を対象とした質的なインタビュー研究を実施した。その結果、患者は:①期待とは異なり反すうによる利益を得られていないこと、②反すうの過程で一時的な解決策を見つけることもあるため反すうの肯定的信念が維持されること、③利益と不利益を勘案した上で葛藤を抱えながら反すうを続けることを選択していること、が明らかとなった。これらの知見は既存の反すうの理論を支持・拡張するものである。
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