研究課題/領域番号 |
15K20919
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
筒井 容平 信州大学, 学術研究院理学系, 助教 (40722773)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | Navier-Stokes 方程式 / Besov空間 / Wiener amalgam 空間 |
研究実績の概要 |
1. 弘前大学の岡部孝宏 氏と共同で、全空間での非圧縮粘 Navier-Stokes方程式時間周期問題に取り組み、特に、外力が発散系ではない場合に weak Ln の枠組みで strong solution の可解性と定量的性質について結果を得た。この函数空間では、熱半群が強連続ではないが、外力に対応する仮定を課して上記の結果を得ている。解の定量的性質も、従来のものよりも良いものとなっている。現在投稿中である。
2. 上記の岡部孝宏 氏と 埼玉大学の Jayson Cunanan 氏 と共に、非圧縮Navier-Stokes方程式の定常解の漸近安定性を全空間において斉次Besov空間で考察し、以下の結果を得た。 スケール不変なBesov空間に属する小さな外力に対して定常解が得られ、その安定性をスケール不変なBesov空間よりも滑らかさが高い空間での安定性と、外力の低周波に制限を課して場合に、滑らかさが低い空間での安定性を示した。これらをLpの枠組みで言い換えると、前者は p>n (=空間次元), 後者は p < n に対応する。結果を得るために、定常解を含む摂動項をもつLapalacianの resolvent 評価を通して、そのLaplacianにより生成される半群の平滑化評価を得ている。それを用いて、実補間を用いたcriticalな評価を用いて上記の結果を得た。この評価は、Meyerによる熱半群の評価の同種のものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
非圧縮Navier-Stokes方程式の研究に関しては、順調に進展している。摂動付きのLaplacianに関する半群に関するcriticalな評価が得られたことは、大きな成果であると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
非圧縮Navier-Stokes方程式に関して、Besov空間よりも広い枠組みのBMO {-1} での定常間の安定性を考察する。定常解の存在が初めの問題であるが、それはBesov空間においても問題となっている。具体的には、Besov空間においては、滑らかさが負の場合の定常解の存在が有無が不明である。
また、Schrodinger 発展群を用いてBesov空間の熱半群を用いた特徴づけと類似の函数空間の発展群を用いない特徴づけを見つけたい。擬微分作用素などの表象のclassなどで特徴づけられないかと予想している。
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次年度使用額が生じた理由 |
図書の購入や出張費などが当初見込んでいた金額よりも安く行えたため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度請求額と合わせて、海外の研究集会への出張費に充てる予定である。
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