長期の地球温暖化対策やエネルギー政策策定の際の基礎となるエネルギー・シナリオは非常に重要なツールだが、バイアスや問題点が知られている。本研究では技術が短期的に大きく変化するサプライズが、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)で利用されるようなシナリオでどう扱われているか検討した。シナリオを計算するモデルでは太陽光発電のコストが過大に設定され、導入量が過小評価され、また学習曲線のパターンに不整合な値になっていた。変化の速いエネルギー技術については、モデルの入力パラメーターの更新頻度を上げること、またコストが低下したシナリオなどを考慮するなど対応が必要であることを明らかにした。
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