EBV関連胃癌における癌幹細胞の同定を目的として、手術により摘出された胃癌組織検体を用いたtissue microarrayを構築し、癌幹細胞のマーカーとなりうる分子の発現を免疫組織化学的に検討した。特に胎児型形質を反映するマーカーの発現に着目して解析した結果、胃癌が3つのグループに分けられることが明らかになった。このうち、胎児マーカーを発現するグループは悪性度の高い腸型の形質を示す一方、EBV関連胃癌においてはこれらの胎児マーカーの発現は低頻度であり、EBV関連胃癌の癌幹細胞性における、胎児形質に関連する分子の関与は限定的であることが示唆された。
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