研究課題
左室補助人工心臓(LVAD)は心不全患者に装着され、一部の患者は心機能を回復するが、多くの患者が心臓移植待ちの状態となる。このLVAD装着により心筋組織にどのような変化が生じているのかを網羅的に解析するために、LVAD装着時の心尖部切除心筋組織と心臓移植時の左室自由壁の心筋組織を28症例分、回収・前処理を行った。LVAD装着時と移植時、それぞれに重さの異なる同位体ラベルを付加し、液体クロマトグラフィー質量分析法を用いて蛋白質の増減を分析した。各症例あたり1000以上の蛋白質が検出されたが、左室拡張期径や心駆出率、BNPの改善値などと相関する蛋白質を統計解析し有意な増減を呈する蛋白質を抽出したところミトコンドリアに関連する蛋白質が多く認められた。これらの結果は、「Proteomic analysis of the failing human heart after left ventricular assist device support」という演題で、2016年9月21日に行われたInternational Society for Rotary Blood Pumpsにて口演発表を行った。この後、さらに症例数を増やして再現実験を行うと同時に、左室補助人工装着時の心筋組織由来蛋白質の絶対定量も行い、左室補助人工心臓装着後に心機能が回復した症例群との比較を検討した。これらの結果については、現在は論文作成中であり、まだ、発表できる段階にはない。また本研究の前に行っていた、デスミン心筋症に関するイメージング質量分析法についての論文も発表した。
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BBA - Proteins and Proteomics
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