研究課題/領域番号 |
15K20945
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤原 清香 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20648521)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 先天性上肢形成不全児 / 発達 / 義手導入 / 歩行 |
研究実績の概要 |
平成28年度は参加者は全例申請者の施設にてリクルートを行なったが、一部の参加者は連携病院からの紹介もあり、併せて義手療法の導入を行なった。 小児の上肢切断・形成不全患者や義手使用者の評価法には,ACMC,CAPP-FSI,CAPP-PSI,PUFI,UBET,UNB等があるが,これらは疾患特異的な評価方法であり.一般的な標準化された評価法における患児の特徴は知られていない.小児の上肢切断・形成不全の患者の評価として,adaptive behaviorの観点からVineland-II Survey Interview Form(日本語版)を用いて上肢切断・形成不全の患児の特徴を調査し検討した.この評価方法は対象小児の保護者に対して行うアンケート方式の評価法で、評価可能年齢が0歳-92歳と広く、将来的にも継続して可能である。 平成28年度までに筋電義手導入に至ったケースは5名おり、その発達検査を義手の導入と共に経時的に行なっている。以上より本年は特に対象児の発達に着目して調査を行いデータを蓄積している。 重心動揺検査については、検査実施にあたってのデータの再現性がやはり課題となっている。本計測の実施にあたって、小児を対象とした本研究の難しさに直面している。今後は実際の測定にあたっての機器の設定や測定方法の簡便化、被験者となる小児の動線や促し方など、課題となっている部分について検討を行い、解決策を講じていく方針である。今後は現時点で蓄積されているデータを解析し、義手導入前と義手導入後の傾向や、年齢によるその発達の特徴について明らかにしていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
小児の上肢切断・形成不全の患者の評価方法として,各種ある方法の中から、我々はadaptive behaviorの観点からVineland-II Survey Interview Form(日本語版)を用いて上肢切断・形成不全の患児の特徴を調査し検討する方針とした。これにより上肢形成不全児の発達上の特徴が徐々に明らかとなっており、引き続き対象患者を増やしていく。 また、機能のある義手が装飾用義手<作業用義手・能動義手<筋電義手と重量が重い傾向にある事から、こうした重さへの適応について解析を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
重心動揺および歩行分析については、引き続き継続していく。また発達評価についてもVineland-II Survey Interview Form(日本語版)を使用して継続的に行ない、上肢切断児の日本国内における長期的なフォローアップデータとして蓄積してくことを目指す。またその他に適切な評価方法がないかも併せて検討する。 また本年はこれまで蓄積してきたデータを分析、考察し論文化していくことを目標とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
筋電義手の導入にあたっての協力が得られたことで、必要額が圧縮された。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度は小児の義手の評価方法の国際的な評価法の国内への導入を考えいたが、今年度のは3年ぶりにその講習会が開かれる見込みとのことで、その資格取得を併せて計画している。それに伴う旅費、講習会費として前年度未使用額を使用し、さらに本研究の質を高める予定。
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