研究課題
ヒトは自身の身体に付着した冗長な自由度である筋を適切に制御して,複雑に見える運動を実現している.その中でも研究代表者の先行研究では起立動作においては筋シナジーと呼ばれる協調した筋の活動が4つ存在することが知られている.一方で他の先行研究ではヒトの歩行動作においては5つの筋シナジーが存在することが知られており,それらのモジュールを活動させることで環境に対して適応的に運動を実現する.しかしながら日常生活において,ヒトは単一の動作だけではなく,複数の動作を巧みに遷移することで複雑な運動を実現している.特に起立動作は日常生活の起点となる重要な動作である一方でそれ単体で活動することはなく,その後に歩行動作などの空間を移動する動作を伴う.本研究ではこの起立から歩行へと遷移する動作を対象にヒトがどのようにして筋を協調しているか解明することを目的とし,特に筋シナジーに着目した研究を行った.その際には起立から歩行へと遷移する運動を実際に計測することができるシステムを構築し,健常若年者や高齢者において運動の計測を行った.その結果起立から歩行へと遷移する動作においても,起立動作における4つの筋シナジーと歩行動作における5つの筋シナジーから説明することができることが新たに解明された.また特に高齢者は若年者に比べて重心を前に移動させてから立ち上がることが分かり,離床時に活動する筋シナジー2が大きく異なることが分かった.
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 4件)
Advanced Robotics
巻: 31 ページ: 40-54
10.3389/10.1080/01691864.2016.1238781
巻: 31 ページ: 68-79
10.3389/10.1080/01691864.2016.1229217