本研究は、持続可能性とレジリアンスを支えるESDとしての現場体験型教育が、大学に広がるグローバル人材育成の中でどのような可能性と課題を示すかを検討し、「現場型グローバル人材育成」による大学のESDモデルを構築することを目指した。この目的の達成に向けて、最終年度にあたる2018年度は下記を実施した。 1.関連資料・文献レビュー・研究成果整理による研究枠組・評価指標の構築:前年までに構築してきたグローバル人材育成実践を通じた学習者と社会―生態システムのレジリアンスと持続可能性向上に関する研究枠組や評価基準項目を土台に、具体的な授業設計・手法やその評価に関わる周辺領域に視野を広げ、情報や論考のレビューと評価基準項目構築を継続した。 2.収集した資料や情報の検討:上記指標にもとづき、収集した資料や実践を通じて得られた情報の検討をおこなった。 3.「現場型グローバル人材育成」による大学のESDモデルの検討:上記検討にもとづきつつ、実践に反映させながら、実際の教育現場で活かすことのできるモデルの構築を継続した。 4.関連領域への展開:上記の経緯や成果を踏まえつつ、他国(韓国、マレーシア)の大学・高等教育機関における現場型教育・環境教育の状況について当該国の研究者らとともに検討した。 5.研究経過および成果の発表と発展:以上の経過や成果について、日本環境教育学会年次大会(8月)、日本教育学会(9月)等で発表した。また、論考を3件、学術誌に投稿、うち2件が既に掲載された(残る1件は査読中)。また、研究成果を公表するウェブサイトを構築した。
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