本研究では、“エクソソームのような微小な帯電粒子”を迅速かつ高効率で体液中から単離・濃縮するために、イオン濃度分極で発生するイオン枯渇領域の隔壁作用(斥力)を利用したマイクロ流体デバイスを開発した。人臍帯静脈由来血管内皮細胞株、ヒト肺胞基底上皮腺癌細胞株、ヒト胎児腎細胞由来株および、乳がん細胞株の4つの細胞の培養液から取り出したエクソソームについて、イオン枯渇領域の斥力の検証実験を実施し、エクソソームが、単離・濃縮可能なことを示した。また、エクソソームの形状と密度を計測することで、本手法の処理がエクソソームの形状維持に影響をおよぼさないことを示した。
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