LLH法により得られるガラス微小球の高い真球度と高い表面平滑性を保持したままWhispering Gallery Mode (WGM) を変化させるために,ファラデー効果を利用した共振波長制御について検討した.高いVerdet定数を有するBi2O3を主成分の一つとするガラスを用いてレーザー局所加熱(Localize-Laser heating: LLH)法により微小球レーザーを作製した.Bi2O3-ZnO-B2O3系ガラスのガラス転移点,軟化温度,結晶化温度を調査し,LLH法に適したガラス組成を明らかにした.磁場印加下でガラス微小球の励起・発光特性を測定する光学系を構築し,Nd添加微小球レーザーの励起・発振特性に磁場が与える影響を検討した. マイクロメートルサイズの欠陥が球状光共振器のWGMに与える影響を理解するために,FIT(Finite Integration Technique)を用いた電磁場解析によりマイクロメートルサイズの欠陥を数十マイクロメートルのガラス微小球に導入したモデルを用いて詳細に検討した.通常のWGMではモード次数nとモード指数lで共振波長が決まるが,内部空洞を導入することでモード指数mに応じた共振波長の短波長シフトが生じることがわかった.シフト量はl-m+1の偶奇およびモード次数nに応じて異なっており,赤道面に電場密度が最大となるl-m+1が奇数の場合シフト量が大きくなり,球の内部に電解分布が広がっているnが大きいモードほどシフト量が大きくなった.微小球内部のWGMの電解分布に応じて欠陥構造を配置することで非縮退WGMの波長制御が可能であることが明らかになった.
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