中学生のいじめ認識の特徴とその深化に関する研究

2015 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 15K21011
• 研究機関: 佐賀大学
• 研究代表者: 下田 芳幸 佐賀大学, 大学院学校教育学研究科, 准教授 (30510367)
• 研究期間 (年度): 2015-04-01 – 2018-03-31
• キーワード: 中学生 / いじめ / いじめ認識

研究実績の概要

研究初年度に当たる平成２７年度は、「中学生のいじめ認識の実態や特徴に関する検討」を中心テーマとしており、中学生を対象に、自由記述式、攻撃的行動に関する質問項目への回答、状況要因を操作した質問項目による回答などから調査を行う計画であった。
平成２７年度は、中部地方の中学校の協力およびリサーチ会社の登録モニターに対する調査により、上記の調査は、それぞれすべて実施できた。
自由記述形式による調査から、中学生のいじめ認識は多様な内容・水準でなされている可能性が示され、分析結果をまとめたものを、現在、関連学会の学術誌に投稿中である。
攻撃行動に関する調査から、中学生のいじめ認識は、明らかに犯罪と判断されるもの、ケンカと判断されやすいもの、いじめとふざけの判断が分かれるものに分かれる傾向が示唆された。
また、状況要因を操作した質問項目の調査から、中学生はいじめか否かの判断について、人数の多さや継続性よりも、反撃の可能性で行っている可能性が示唆された。これらの結果について、現在投稿用の論文を執筆中である。

現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通りの調査が実施でき、結果について、投稿論文として１篇、執筆中の論文が１篇にまとめているところであるため、計画通りであると判断した。

今後の研究の推進方策

今回の研究結果を踏まえて次年度は、いじめ認識と関連が予想される心理的要因に関する調査研究を行っていく予定である。
調査対象は中学生であり、調査協力が得られた学校と、リサーチ会社の登録モニターの活用を予定している。

次年度使用額が生じた理由

消耗品等で購入した物品が予定より若干やすかったため、差額が生じた。

次年度使用額の使用計画

次年度に、コピー用紙等の消耗品を中心に使用予定である。