放射線照射による椎体骨の脆弱化を解明するために、放射線照射したラット脊椎骨に対して力学的試験と構造解析を行った。小動物放射線照射装置を用いてラットの腰椎に20Gy単回の外照射を行った。照射後に屠殺し摘出した椎体の圧縮負荷試験(骨強度試験)とμCTによる画像解析を行った。骨強度は照射後群が非照射群と比較して有意に低下していた。μCTの結果、非照射群に比べ照射群では骨梁連結性低下を認め立体構造が粗であった。骨密度はほとんど変化していなかった。海綿骨の微細構造の低下によって骨密度の変化なしに骨強度の低下が示されたことから、放射線の脊椎骨に与える影響は海綿骨の立体構造の変化であることが示唆された。
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