肝臓の脂肪化を評価することは,非アルコール性脂肪肝炎のように進行性の病態において特に重要であるが,針生検は侵襲性が高く,画像診断による定量性の高いモニタリングが求められる.従来からCT検査は簡便に広範囲を撮像することが可能であり,臨床に広く利用されているが,MRI検査のように肝脂肪量を測定することはできなかった.近年,普及している2種類のX線エネルギーを用いた“dual-energy CT”装置における物質弁別手法を,肝臓に蓄積する脂肪のようにわずかな信号差も検出可能な独自のアルゴリズムに改変することで,MRI検査と同等の精度を持った肝脂肪含有率測定を可能にした.
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